「その幻想をぶち殺す!」の決め台詞でアニメファンにはおなじみの「とある魔術の禁書目録」の主人公・上条当麻の声優として知られる阿部敦。少年から青年まで幅広く演じ、硬めでしっかりした声質もあり、熱血系の少年役では特に強い印象を残す。「バクマン。」では漫画家を目指す熱い主人公・真城最高、「弱虫ペダル」では自転車ロードレースに青春を懸ける泉田塔一郎役を好演。
そんな阿部が日本語版のナレーションを務めるネイチャー・ドキュメンタリー「世界大自然紀行:北極圏」が、9月15日(日)よりナショジオ ワイルドでスタートする。本作は、極寒の地で命を育む動物たちの姿を捉えたシリーズだ。寒さに耐え、過酷な自然の中で生きる動物たちを語る阿部の声は、映像にさらなる力強さを与える。
北極圏は地球上でも特殊な地域で、冬は大地が氷に閉ざされ1日中夜が続く。夏は太陽が沈まず、氷が溶けるため至るところに生命が満ちあふれる。番組では主に、そんな夏に活動する動物にスポットを当てていく。第1回「氷と火山の島」では、北極圏最強の肉食動物ホッキョクグマが登場する。
メスのホッキョクグマが、氷の上でストレッチをするシーンはとても愛らしい。さらに、狩りで流氷が散乱する海を泳ぐ姿を、上空から捉えたシーンは勇壮だ。しかし、極寒の地だけに思うように獲物は見つからない。視聴者は、北極圏で生きる過酷さを目の当たりにすることになる。
夏にスバールバル諸島を訪れるハシブトウミガラスも、愛らしい外見を持つ。彼らが巣を作るのは切り立った断崖だ。キツネなどの外敵がいないため繁殖に適していて、毎年百万羽がこの地で愛を育むという。しかし、全く危険がないわけではない。崖をものともしない厄介な敵、カモメがヒナを狙ってくるのだ。
番組ではアイスランドやグリーンランドに舞台を移しながら、ホッキョクオオカミの小さな群れや、雪の中で心臓を止めて越冬する特殊な毒蛾、"名うての殺し屋"と呼ばれるホッキョクギツネなどを紹介していく。
彼らが生きるために戦う姿を、その強さを、冷静でありながら熱を帯びた阿部のナレーションが彩っていく。動物について解説をするナレーションでは学術的な言葉が続くため、魔術と科学を題材にした「とある魔術の禁書目録」の上条当麻を思い起こすかもしれない。
胸に熱い思いを抱くキャラクターを数多く演じる阿部らしい、極寒の地の生命力あふれる映像に力強さを増すナレーションを堪能しながら、そこに暮らす動物たちの生きざまを目に焼き付けてほしい。
文=堀慎二郎
放送情報
世界大自然紀行:北極圏
放送日時:2019年9月15日(日)18:00~
※毎週(日)18:00~
チャンネル:ナショジオ ワイルド
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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