楠木ともりが20歳のバースデーライブで決意「寄り添える、響く曲を歌っていきたい」

声優・楠木ともりが、2019年12月29日に東京・EX THEATER ROPPONGIで20歳のバースデーライブ「Kusunoki Tomori coming-of-age『WRAPPED///LIVE廿』」を開催した。弾き語りにも挑戦した、カバー曲とオリジナル曲の2部構成で多くのファンを魅了した一夜限りのライブの模様をレポート。

登場とともに会場の視線を集めた楠木は、20歳の誕生日を迎えた自分へのメッセージとして「Happy Birthday To You」(Official髭男dism)を披露した。新しい試みを取り入れたライブにしたことを伝えると「カバーコーナーは、全てアコースティック調でいきたいと思います」と宣言。そのまま情感あふれるギターの音色に合わせて、「夜空ノムコウ」(SMAP)、「Time goes by」(Every Little Thing)で息遣いが聴こえるしっとりとした美声を響かせた。

続いて曲調をガラリと変えると、パンチの効いた楽曲「Prisoner Of Love」(宇多田ヒカル)、「ギブス」(椎名林檎)を力強く歌い上げ、「アコースティックはカッコイイ曲もできるんですよ～」と、自身愛用のギター"ルカ(Lucas)"を持ち出して「Namidairo」(YUI)を弾き語りで披露。歌い終わって笑顔を見せた彼女は、初めて1人で行った弾き語りに「緊張した～(笑)」と安堵の表情を見せた。

その後、「いつの日も」(阿部真央)、「夜明けの月」(ハルカトミユキ)と立て続けに歌い、「Snowdome」(木村カエラ)でファンの手拍子とともにタンバリンを鳴らしながら歌唱すると、カバー曲パート最後の曲「Pieces」(L'Arc～en～Ciel)をグランドピアノの伴奏で熱唱。ファンの視線をくぎ付けにすると、スクリーンに映し出された練習風景やチューニングの様子など、舞台裏の映像と入れ替わるようにステージを降壇した。

衣装チェンジした楠木が再び登場し、ライブはオリジナル曲パートに突入。「スケッチブック」のポップなメロディーで会場を盛り上げると、間奏ではグロッケンをたたくパフォーマンスも披露。「眺めの空」では楠木ともり Official YouTube Channelで公開しているLyric Videoをスクリーンに映し出しながら歌い、ジャズロック調にアレンジした「クローバー」、同じくLyric Videoを公開しているロックテイストの「ロマンロン」を続けて歌い上げた。

拍手が響きわたる会場を見渡し、「こんなライブがやりたかった」と喜びをあらわに。前回のサマーライブに続き今回もラストナンバーとなった「アカトキ」では、会場がサビのフレーズ「アップデートしていこうよ」を繰り返し合唱。最後は彼女も一緒に声を合わせて会場を一つにした。

アンコールでは、新曲「バニラ」を力強くも優しい声音で歌い上げると、歌詞の1番を家族と友達、2番をファンに向けて作ったことを明かし、制作に今までで一番時間がかかったことを告白。さらに、ライブタイトルについても触れ、「WRAPPEDは使い方によっては夢中にさせるという意味があり、皆さんにもライブに夢中になってほしい」と思いながらライブに挑んだことを打ち明けた。

さらに「WRAPPED」の後ろの3つの「/(スラッシュ)」は、ファンへ3つのプレゼントを表していることを説明。1つ目が新曲「バニラ」の披露、2つ目が新曲「バニラ」のdemo ver.をオフィシャルモバイルサイト『SMA VOICE』の会員限定で10日間限定公開するということ(1/7 23:59で終了)、そして3つ目となる"ソロメジャーデビュー"の発表が行われると、会場からこの日一番大きな歓声と拍手が送られた。

「演技だけでなく、音楽にも羽を伸ばして真っすぐ向き合いながら、皆さんに寄り添える曲、皆さんに響く曲をたくさん歌っていきたい」と思いを口にした楠木。「僕の見る世界、君の見る世界」で再び会場を盛り上げると、ファン1人1人の姿を確かめるようにステージを駆け抜け、最後は「これからも音楽を楽しんでいきましょう」とファンに感謝の気持ちを伝えてライブの幕を下ろした。

文＝永田正雄

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