21歳の楠木ともりが思いを歌声にして届ける「次にライブをする時は、みんなで一緒に」

2020年に1stEP『ハミダシモノ』でソロメジャーデビューを果たした声優・楠木ともりが、21歳の誕生日となる12月22日にスペシャル生配信ライブ「Kusunoki Tomori Birthday Candle Live『MELTWIST』」を開催。キャンドルが灯るステージで、アコースティックの演奏とともに自身の歌声をファンに届けた。

冒頭に「ニットの帽子」(Official髭男dism)を披露した彼女は「離れた場所にはいるんですけど、同じ空間を、時間を、音楽を溶かし合って共有していきたいと思います」とメッセージを送り、カバー曲の歌唱をスタート。まずは自身の中の冬らしいサウンドとして「葵橋」(さユり)、「接吻」(ORIGINAL LOVE)を息遣いの聴こえるしっとりとした声で歌った。続けて、先に歌詞カードを見てから曲を聴くことが多いという楠木は、普段聴く中でも特に歌詞を気に入っている曲として「Stand Up,Baby」(ハルカトミユキ)、「心做し」(蝶々P)を熱唱。アップテンポな楽曲からバラードへとつなぎ、ゆったりしたイメージのあるアコースティックのさまざまな表情を引き出すと「歌詞が力強く生々しくて、心に響いてくる大好きな曲」と選曲理由を語った。

そのまま2020年を振り返った楠木は、大変な状況の中、多くの仕事に携わることができたことへ感謝。その思いを歌にして届けるため、自身が出演したアニメ『デカダンス』から「記憶の箱舟」(伊東歌詞太郎)、『魔法学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』から自身の楽曲「ハミダシモノ」をそれぞれ歌い上げた。「記憶の箱舟」で泣きそうになったと、気持ちが高ぶったことを明かすと「自分が出演した作品の楽曲を歌わせていただくのは、本当にレアでありがたいことです。伊東歌詞太郎さんもナツメのことを描いてくださったそうなので、歌詞の1つ1つをナツメ役として読み解くのが楽しかった」と、出演者ならではの思いを口にした。

後半に入ると、この1年、アーティストとしてさまざまな思いがあったことを告白。「自身の中で描いたビジョンが一通り崩れて、それでも皆さんの声援で頑張れました。会う時間は減ってしまったけど、SNSでの言葉を通じて皆さんとの距離はグッと縮まった1年だったと思います」とファンに感謝すると「(今日のライブは)欲を言えば、生で聴いてほしかったという気持ちはあります」と本音を明かし、1stEP『ハミダシモノ』に収録されている「眺めの空」「ロマンロン」「僕の見る世界、君の見る世界」をアコースティックバージョンで披露した。

その後、コメントを通じてのファンとのやりとりでは、朝ご飯はみそ煮込みうどんを食べたことや、さまざまな番組で誕生日を祝ってもらい食べたケーキの量が1ホール以上に及んでいること、今回の衣装をキャンドルの灯りに照らされてキラキラ光るように、自身で選んだことなどが明かされた。また、ライブタイトルについては「キャンドルは(灯りを)つけていると同じ時間を共有した分一緒に減っていくので、離れていても同じ景色を見て時間を溶かして寄り集まって、新たな形を私たちで一緒に見つけて楽しんでいこうという意味を込めました」と説明。さらに「次にライブをする時は、みんなで一緒にできたらいいな」と心の内を語った。

最後に、前年のライブで初披露した「バニラ」に加え、ラストナンバー「アカトキ」を画面の向こうのファンとともに「アップデートしていこうよ♪」と繰り返し、笑顔で歌い上げた。本日のバンドメンバーの紹介に続き、「アカトキ」のリリックビデオの公開を明かすと、さらに2ndEPの2021年春リリースも発表。鋭意制作中とのことで「皆さんへの感謝の気持ちや自分が感じたことをたくさん詰め込んで、こだわり抜いています」と意気込みを語った。そして、「次はぜひ生で、直接お会いできたらなと思います。ありがとうございました」と画面の向こうのファンに感謝。最後はカメラ前の画面にサインを書き上げると、両手で抱えたキャンドルの火を吹き消し、画面を暗転させてライブの幕を下ろした。

文=永田正雄

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セットリスト

M1 ニットの帽子/Official髭男dism
M2 葵橋/さユり
M3 接吻/ORIGINAL LOVE
M4 Stand Up,Baby/ハルカトミユキ
M5 心做し/蝶々P
M6 記憶の箱舟/伊東歌詞太郎
M7 ハミダシモノ/楠木ともり
M8 眺めの空/楠木ともり
M9 ロマンロン/楠木ともり
M10 僕の見る世界、君の見る世界/楠木ともり
EN1 バニラ/楠木ともり
EN2 アカトキ/楠木ともり

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