ザ・シネマが名作映画を新録吹き替え版で送る「ザ・シネマ新録版」第7弾は、エミリオ・エステベス、デミ・ムーアらハリウッドスターが若かりし頃に出演した青春映画「セント:・エルモス・ファイアー」(1985年米)を11月23日(水)21:00より放送する。
"セント・エルモス・バー"に夜な夜な集う名門大学出身の男女7人の卒業後の苦悩を描く今作の吹き替えには、石川界人、畠中祐、早見沙織、ファイルーズあいら新世代の声優を起用。その7人の中で、福祉局で働くウェンディ(メア・ウィニンガム)を演じたのが、人気アニメをはじめ、洋画・海外ドラマでも活躍中の声優・花澤香菜さんだ。
「今まで触れたことのなかった作品でしたが、名作だからこそザ・シネマさんで新録版を制作することになったのだろうなと思い、本編を見るのがすごく楽しみでしたね」
映画が公開された1985年には、まだ生まれていなかったという花澤さん。しかし、作品内で描かれている、楽しかった大学生時代から卒業し切れていない若者たちの心情には思うところがあったという。
「私も彼らと同じくらいの年齢時にこの作品を見ていたなら、感じることも違うかなと思うのですが、もう心が痛くなるというか、すごく共感しちゃいましたね。でも、彼らがいつも集まるバーの雑然とした感じとか、そこかしこでタバコを吸ってお酒を飲んだくれて...。あんな雰囲気を体験したことがないので、すごく自由で豪快だなって(笑)。もし、あの時代にいられたら、とても面白かったんだろうなって思いました」
さまざまな経験を経て、ひとりの大人として自立するための一歩を踏み出すウェンディ。彼女が過保護な父と対峙するクライマックスシーンには、思わず胸が熱くなったと振り返る。
「家族とちゃんと話し合いをするのは、すごく勇気のいることだと思うんですよ。なので、グッと力の入った感じで演じました。私もあのシーンがすごく好きなので、ぜひ注目してほしいです」
そんな花澤さん自身の青春の思い出を聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「私も大学時代が一番楽しかったですね。いろんな地域から個性的な子が集まってきていて、その子たちの感性に触れるのがとても楽しかったです。よくみんなで井の頭公園で遊んだりしていたんですが、冬場にホットワインを飲みながら語り合ったのが思い出に残っています」
「セント・エルモス・ファイアー」は今なお世代を超え、多くの人の心を揺さぶる、不朽の青春映画と名高い。
「今回、『ザ・シネマ新録版』に参加させてもらえて、とてもうれしかったです。世代によっては、全然触れたことがない方もいらっしゃると思いますし、懐かしいと思った方も、新録版の放送をきっかけに作品を見返すきっかけになるのかなと思います。いろんな人にこの作品を楽しんでいただきたいです」
はなざわ・かな●2月25日生まれ、東京都出身。声優、女優、歌手として幅広く活躍。主なアニメ出演作品は「PSYCHO-PASS」シリーズの常守朱役、「鬼滅の刃」の甘露寺蜜璃役、「化物語」の千石撫子役など。第9回(2014年度)声優アワード助演女優賞受賞。
取材・文=中村実香
放送情報
セント・エルモス・ファイアー【ザ・シネマ新録版】
放送日時:2022年11月23日(水)21:00~
チャンネル:ザ・シネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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