小栗旬が演じる正義から悪への変貌ぶりが圧巻...刑事ドラマ「BORDER」で見せた「鎌倉殿の13人」にも通じる演技

(C)金城一紀/テレビ朝日

そして最終回「越境」では、完全殺人を行うサイコパス・安藤(大森南朋)と対峙することに。被害者の声を聞いても安藤の証拠を掴めない石川は、裏稼業の人間たちを使って証拠の捏造まで図る。それでも逮捕できなかった安藤に、石川は衝撃の制裁を与える。

この制裁こそが最後のBORDER(境界)。「正義と悪の境界線」だ。汚れなきまっすぐな男だった石川が、絶対的な悪・安藤の言う「こっち側」へのBORDERを超えてしまう。悪を葬る石川をダークヒーローといえるのか、それとも安藤のいう「こっち側」へ闇落ちした悪人なのか――。生と死、正義と法、情と非情、さまざまなBORDER(境界)に迷う石川を小栗が迫真の演技で魅せる。

(C)金城一紀/テレビ朝日

本連続ドラマの続編であるスペシャルドラマ「BORDER 贖罪」のイベントで、石川の上司・市倉を演じた遠藤憲一がこれまでの小栗との共演を振り返り、「『BORDER』で一緒になって、死んだような目ができる名優になっていた」と彼を評したが、連続ドラマでは、回を重ねるごとに小栗の目の色が消えていく。そして、最終回では死んだような目を見せている、その変化は圧巻。

(C)金城一紀/テレビ朝日

小栗だけでなく、脇を固める布陣も手堅い。直属の上司・市倉に遠藤、石川とバディを組む熱血漢の刑事・立花に青木崇高、風変りな検視官・比嘉に波瑠、裏社会の人間に、古田新太、野間口徹、浜野謙太、滝藤賢一、管理官に北見敏之、裏社会の掃除屋に中村達也、ほかにも宮藤官九郎、平田満などかなりのクセ強な役者を揃えている。

2014年の作品だが、今見てもまったく古さは感じられない。直木賞作家・金城一紀の緻密な脚本と、演技派俳優陣とのケミストリーで作り上げられた硬派な社会派ヒューマンサスペンス。最終回のラストシーンは、衝撃!小栗の「死んだような目」に注目してほしい。

文=坂本ゆかり

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放送情報

BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係
放送日時:2023年1月4日(水)13:20~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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