堀田茜＆泉澤祐希が体現する「友達以上・恋人未満」のリアルな距離感！男女それぞれの視点で見比べる「恋と友情のあいだで」

主演2人の相手役・二階堂直哉と浅井美月は、武田航平と美山加恋が演じた。猛アタックの末に里奈を手に入れた二階堂は、元商社マンで現在は家業である鉄鋼メーカーの役員かつ将来社長の座を約束されているエリート。傲慢なところがあり、結婚後は悪びれることなく浮気をする。美山演じる美月は、いつも穏やかな笑顔で寄り添い、慎ましく廉に尽くしている。曖昧で都合のいい関係に不安を抱きつつ、廉と結婚して幸せを掴む。里奈とは真逆のタイプながら、控えめに見えて強かな面も持っている。

モデルとして活躍する一方、その飾らない明るいキャラクターでバラエティでも存在感を発揮している堀田が、今作では、複雑な女心を懸命に表現している。キラキラの港区女子から、廉に対するゆるんだ姿のギャップがいい。圧倒的な美女が見せる、心を許した相手にしか見せない表情や口調が可愛らしい。

そして、もう1人の主演を務めたのが子役時代から抜群の演技力を誇る泉澤。人気者のまま人生を歩む男だが、作られた感じや嫌味がない。里奈への"友達以上で恋人未満"の微妙な距離感がリアルだ。自然体の演技と、本気で恋をしている表情が際立つ。

すれ違い、後悔や失敗をしながらも想いを募らせていく2人の姿が、丁寧に描かれる本作。若く未完成だったがゆえに気づかなかった、かけがえのない存在。あの頃、自分の気持ちに気づけていたら、素直になれていたら、何か変わったのだろうか。女目線と男目線でそれぞれ紡がれるストーリーを辿れば、あの時の言葉や行動の意味が、人生を左右する決断の理由が、浮かび上がってくる。恋と友情のあいだで彷徨っていた2人の出した結末に注目したい。

文＝中川菜都美

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