当時10代の高橋一生があどけない!藤田まことの人間味溢れる芝居で作り上げられたドラマ「保護司・夏目清一」

(C)東映

東京の自由が丘でハンバーグが大人気の「れすとらん 夏目亭」を営んでいる夏目(藤田)は、かつて少年院に収容されていて身寄りのない千加(藤村ちか)を引き取って一緒に暮らしている。ある日、厨房にいる時にテレビから流れてきたのは、保護司として面倒を見ていた少年・修の父親が殺され、その容疑者として修が疑いをかけられているというニュース。刑事はもちろん、修が父親を憎んでいたことを知っている千加も「修が殺したに違いない」と言うが、夏目は「どうしてもあいつがやったとは思えないんだよ」と葛藤する。

そして、鑑別所から一旦は解放された修を引き取り、多くを語らない修を心理カウンセラーのところに連れて行ったり、修の不良仲間のところに自ら出向いて行ったりと、身体を張って修の無実を証明しようとするのだ。ぶっきらぼうで厳しい中にも人情味が見え隠れする夏目を演じる藤田の演技は、16歳の千加と修の本当の父親のようでもあり、歩んできた人生の深みと懐の深さを感じさせてくれる夏目の人柄を体現している。

■修が激昂する場面、今の高橋に通じる迫真の演技が垣間見える

(C)東映

愛する母親を亡くし、父親の再婚相手と折り合いが悪い修を演じる高橋は、当時は10代でまだまだあどけなさが残る。事件を前になすすべもなく、戸惑い、心を閉ざしているが、家族で「夏目亭」に何度も通ったことがきっかけで生まれた「コックになりたい」という夢だけは捨てていない、そんな少年を演じている。夏目に包丁の研ぎ方を教わり、コックコート姿も初々しい修。事件後に継母に家に戻るように言われ、「お前の顔なんか見たくないんだよ!」と自分の感情を剥き出しにする場面では、今の高橋にも通じる迫真の演技で、激昂する修の姿を熱演している。心の中では夏目のことを慕っているのだが、自分の気持ちをうまく表現できないでいる修が、自分の昔の仲間に袋叩きにされて帰ってきた夏目の姿を見て、隠れるように涙を見せるのも印象的なシーン。

約24年前の藤田と高橋の共演、今となっては貴重すぎるドラマだ。そんな本作で藤田と高橋が見せた、人間味溢れるキャラクターたちに説得力を生み出す演技を堪能してほしい。

文=山本弘子

この記事の全ての画像を見る

放送情報

保護司・夏目清一 父親殺し
放送日時:2023年4月5日(水)11:00~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物