堺雅人、冤罪の逃亡犯として逃げ回る!竹内結子の柔和な雰囲気も魅力的な伊坂幸太郎原作の映画「ゴールデンスランバー」

(C)2010「ゴールデンスランバー」製作委員会

逃亡劇の途中で彼を支えるのが、竹内結子演じる樋口晴子、吉岡秀隆演じる森田森吾、劇団ひとり演じる小野一夫ら、かつての仲間たちだ。中でも晴子演じた竹内の存在感は大きい。青柳の元恋人で今は別の男性と結婚した一児の母となった晴子だが、窮地に陥った青柳を信じて逃亡の手助けをする。車に残したメッセージをはじめ、ところどころに残されるサインからは、竹内のぬくもりのある柔らかな声が聞こえてくるようだ。ちょっと呆れたような、からかうような愛らしい表情。青柳という人間をきちんと知っている晴子が味方でいてくれることが心強い。回想シーンでの大学時代の恋人らしいやりとりも微笑ましく、前年2009年の映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』でも共演している2人が息のあった演技を披露した。

近年は、2012年からの「リーガル・ハイ」シリーズや、2013年・2020年の「半沢直樹」シリーズなどのイメージが強い堺。物語を牽引していく癖のある強気なキャラクターゆえに、鮮烈なインパクトを残している。しかし、それ以前の堺による周りに振り回され困惑する"普通の人"も、絶妙で非常に良い。癖のない人物も違和感なく体現する、さすが演技派と納得の演技だ。今作では、どこか哀愁漂う穏やかな笑みを浮かべているような表情で、青柳の喜怒哀楽を表現してみせた。堺が演じると、なぜか青柳を助けてしまいたくなる気持ちが分かる気がした。

文=中川菜都美

この記事の全ての画像を見る

放送情報

ゴールデンスランバー
放送日時:5月30日(火)
放送チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物