「ふつう」の生活を送る凄腕の殺し屋『ザ・ファブル』、愛すべきキャラクター性と岡田准一らが演じる迫力満点のアクションシーン!

殺すことを禁じられた殺し屋が一般人になろうと奮闘する姿を描いた『ザ・ファブル』
殺すことを禁じられた殺し屋が一般人になろうと奮闘する姿を描いた『ザ・ファブル』

■「プロのふつう」を目指す殺し屋を数々のトラブルが待ち受ける

連載が始まるやいなや、そのあまりのおもしろさに多くの読者を虜にした南勝久によるバトルアクション漫画「ザ・ファブル」。凄腕の殺し屋だが現在は休業中という主人公の活躍を、岡田准一主演で実写映画化したシリーズ『ザ・ファブル』(2019年)、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』(2021年)は、世界基準のかっこいいアクション、オフビートな笑い、グッとくる人間ドラマが共存した最高に楽しめるエンターテインメント・ムービーだ。

圧倒的な強さにより、裏社会では「伝説の殺し屋」として噂されるようになった男、通称・ファブル(岡田)。目立つことを恐れたボス(佐藤浩市)は、彼と彼の仕事上のパートナーである女性(木村文乃)に、それぞれ佐藤アキラ、佐藤ヨウコという偽名を与え、仮の兄妹として1年間、殺しをせずにふつうに生活することを命じる。ボスと関係の深い裏社会組織・真黒カンパニーの協力も得て、2人は新天地、大阪で平穏な暮らしを満喫しようとするのだが、意に反して裏社会のトラブルに次々と巻き込まれてしまう...。

原作者の南勝久は、環状族(大阪環状線を走行する競争型暴走族)だった自身の実体験に基づく青春バトルアクション「ナニワトモアレ」で1999年にデビュー。主人公はもちろん、脇役、チョイ役にいたる登場人物一人一人のキャラクター造形や世界観など、作品の端々からにじみ出る生っぽいリアリティが特徴的な漫画家である。

「ザ・ファブル」は2014年から2019年まで「週刊ヤングマガジン」で第一部が連載され、全240話、単行本全22巻で完結。2017年には第41回講談社漫画賞一般部門を受賞。そして、映画2作目の公開後となる2021年7月には、コミックの第二部として「ザ・ファブル The second contact」が同誌でスタートし、現在も連載中だ。シリーズ累計発行部数は2000万部(2022年10月時点)を突破している。

映画1作目『ザ・ファブル』は、原作の1~7巻にあたる「小島編」のエピソード。2作目『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、原作の9~13巻にあたる「宇津帆編」のエピソードの映画化であり、原作に沿って着々と進んでいる感じだ。

(C) 2019「ザ・ファブル」製作委員会
佐藤アキラ、佐藤ヨウコという名を与えられた殺し屋コンビ(『ザ・ファブル』)

(C) 2019「ザ・ファブル」製作委員会

主人公のファブルことアキラを演じるのは、本作でコミック原作の映画初出演を果たし、「もともと原作が好きで、読者として読んでいた」という岡田准一。ずば抜けた身体能力を持つ「最強の男」をリアルに体現する、という点においては、アクションを熟知した彼ほどふさわしい俳優はいなかったのではないだろうか。

お笑い芸人ジャッカル富岡の大ファン。周囲も驚く極度の猫舌。自宅では裸族で、食事やトレーニング中も全裸。敵の奇襲に備えて、ベッドではなくバスタブで眠る。モードを切り替える時は、変顔をしながら額を指でトントンとたたく...原作で描かれていたアキラのおかしなクセや生活習慣は、映画版でもすべて忠実に再現。プロ意識が非常に高く、ことあるごとに「プロとして...」と口にし、プロとして一般市民になりきることを目標にしている現在は「ふつうなら...」と、ふつうという言葉に敏感になっているところも微笑ましい。

1作目と2作目共通のレギュラー陣としては、酒が強くて料理が得意な仕事の相棒・ヨウコ役に木村文乃。アキラが初めて出会う一般人の女性・ミサキ役に山本美月。アキラとヨウコを幼い頃から育て、殺しの技術を教え込んだボス役に佐藤浩市。大阪の裏社会組織・真黒カンパニーの情に厚い社長・海老原役に安田顕。真黒カンパニーの若手で、アキラに心酔しているクロ役に井之脇海。アキラのアルバイト先であるデザイン会社の社長・田高田役に佐藤二朗が扮する。

(C) 2019「ザ・ファブル」製作委員会
柳楽優弥扮する小島が物語の鍵を握る (『ザ・ファブル』)

(C) 2019「ザ・ファブル」製作委員会

裏社会組織内の抗争を描いた1作目のキーパーソンとして、海老原の弟分で、殺人の服役を終えて出所したばかりの小島役に柳楽優弥。下剋上を企む真黒カンパニーの幹部・砂川役に向井理。砂川が雇った殺し屋・フード役に福士蒼汰が、それぞれクセの強いキャラを映画独自の色を加えて熱演している。

(C) 2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
堤真一が、裏の顔を持つNPO団体の代表を演じる(『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』)

(C) 2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会

また2作目では、子どもたちの安全を守るNPO団体の代表にして、裏では過保護に育てられた若者を拉致、監禁、殺害して金を奪う非情な男・宇津帆役に堤真一。宇津帆の右腕的存在の殺し屋・鈴木役に安藤政信。宇津帆と同居している車椅子の若い女性・ヒナコ役に平手友梨奈。存在感のある彼らの演技がドラマ性を高めている点も見逃せない。

■岡田の確かな実力のもと実現したアクションシーン

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放送情報

ザ・ファブル
放送日時:2023年5月13日(土)19:00~、25日(木)18:40~
ザ・ファブル 殺さない殺し屋
放送日時:2023年5月13日(土)21:15~
チャンネル:チャンネルNECO

ザ・ファブル
放送日時:2023年5月20日(土)13:30~
ザ・ファブル 殺さない殺し屋
放送日時:2023年5月20日(土)15:45~
チャンネル:WOWOWシネマ

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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