翡翠は世間知らずのお嬢様で、普段は上品で可愛らしいキャラクターなのだが、事件の真相を探るために行う降霊では、被害者の魂をその身に降ろすため別人となる。その瞬間の"切り替え"が凄い!見た目は変わらない中で霊が降りた瞬間を芝居で表わすためには、切り替わる瞬間はとても大事なポイントとなるのだが、清原は翡翠の雰囲気からガラリと変えて、降ろした被害者を表現。特筆すべきは、別の役者が演じた生前の被害者の雰囲気をしっかりと纏っているところだ。この部分に違和感が生じると作品としての説得力が欠けてしまうのだが、清原はしっかりと演じ切っており、視聴者を作品の世界に没入させてくれる。
さらに、降霊シーンを上回る"切り替え"で視聴者を楽しませてくれるのが、最終話で翡翠がかつてないピンチに陥るシーンだ。クライマックスのネタバレになってしまうため明言は避けるが、「すべてが、伏線。」と謳われている第5話の肝となる部分を清原の演技が担っており、その芝居は「圧巻」の一言に尽きる。観る者すべてが清原の演技に騙されることだろう。清原の演技の"切り替え"の前と後のギャップの大きさを楽しみつつ、さまざまな伏線が回収されていくストーリー展開の気持ちよさを感じてほしい。
加えて、翡翠のアシスタント・真を演じる小芝風花の"切り替え"も必見。こちらもクライマックス後に現れる変化であるため詳細は語れないが、清原に勝るとも劣らない"切り替え"を披露しており、作品を最後まで見届けると新進女優2人の演技力の深みを感じられるはずだ。
文=原田健
放送情報
霊媒探偵・城塚翡翠
放送日時:2023年5月20日(土)11:00~
チャンネル:日テレプラス
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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