稀代の映画女優・吉永小百合にとって"初の祖母役"ということでも注目を集める本作だが、吉永は実にハツラツとした若々しい演技で、自分らしく生きる福江という女性像をチャーミングに表現している。
思いを寄せる寺尾聰演じる牧師・荻生とは、どこか初々しさすら漂わせる"教会デート"に出かけて乙女な顔を見せたかと思えば、孫の舞(永野芽郁)とは楽しそうな笑顔で恋話に興じたり、豊かで可愛らしい表情が目を引く。
そんな一人の女性としての顔を覗かせる一方で、息子の昭夫と接する時には"母さん"に様変わり。花火を見上げながら、息子が産まれた日の喜びをまるで昨日のことのように語る様子や、息子から頼られた際のどこか嬉しそうな表情は思わず親近感を覚えてしまうほど身近な光景だ。完成披露試写会の際には大泉から幼少期の写真を借りたことを明かしており、役作りの結果が自然な空気感にも反映されているようだ。
今作が山田組初参加となった息子・昭夫役の大泉も、母・福江との絶妙な親子の距離感を巧みに表現。母の変化に戸惑い、「あんたの一人息子は今、死ぬほど苦しんでます...」とついついぶーたれる、どこか他人行儀だが同時に心を許していることが伝わる言葉遣いは何ともリアル。"情けない息子"という役が絶妙にハマっている大泉と吉永の初共演とは思えない息のあった掛け合いに加え、下町の人々との交流によって昭夫の様子が変わっていく様もまた見どころだ。
放送情報
映画「こんにちは、母さん」公開記念特番
放送日時:2023年8月26日(土)20:45~ほか(無料放送)
チャンネル:衛星劇場
放送日時:2023年8月28日(月)3:30~(無料放送)
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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