「ドラゴン桜」で南が演じた女子高生・奈緒は明るい性格だったが、実は影のあるキャラクターを演じることが多い南。本作で演じている花は事故の悲惨な記憶を引きずって不登校でありながらも、父や母のことを思い、まだ幼い妹にも寄り添っている女の子だ。
しかし、ある日、父が「奇跡が起きたよ」と植物状態だった母を突然、家に連れてくる。その時、花はその状況に不思議な違和感を覚えるのだった。父は「整形したからだ」と言うが、以前の母と何かが違うように感じたのだ。
一方、純は、心理療法室で催眠療法を行なっている花の父のことや、5年前の事故について密かに調べていた。退院する前に花の母を目撃したという純。そんな純と距離が近くなるうちに、花の中には幼い頃の思い出がフラッシュバックし、戻ってきたはずの家族への疑念が生まれていく。内に抱え込む性格の花の葛藤や恐怖を、南の表情が雄弁に物語っている。
■異変に気づいたゆえに巻き込まれる...大西演じる純が重要な役割を担う
不穏な映像から始まり謎解きのように進んでいく本作で、近くで起きている異変にいち早く気がつくのが純だ。カメラを向け、ことの真相に近づこうとするがゆえに、いつしか巻き込まれていく...そんなポジションを大西が演じている。温厚で家族を愛する花の父・司朗から催眠療法を施され、一時的に我を失うが、自分の母や花を救うために時に感情を剥き出しにして問題に立ち向かっていく。
タイトルの「この子は邪悪」が意味するものとは?南と大西の演技に注目しながら、リアルとホラー、ファンタジーが交錯するストーリーを楽しんでほしい。
文=山本弘子
放送情報
この子は邪悪
放送日時:2023年9月10日(日)12:00~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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