髙石あかり、「ベイビーわるきゅーれ」で見せる、ヘラヘラモードから一気に殺し屋モードに切り替わる演技に注目!

陰と陽のコントラストがこのコンビの特徴だが、バイオレンスアクションというハードな作品のなか、髙石が演じる"陽"の演技が作品にコミカルさとポップさを出すという意味で非常に効いている。特に、明るく無邪気で何を言われてもヘラヘラできる寛容性があるように思わせておいて、沸点を超えた瞬間一気に殺し屋モードに入る髙石の表情の変化は、非常に痛快だ。

元女子高生で殺し屋稼業という設定は、ややファンタジックなのだが、この二人の日常が描かれることで、妙なリアリティがもたらされる。殺し屋という危険な仕事のため報酬はいい。しかしそれ以外がポンコツ。高校を卒業したものの、家賃や保険料、賃貸契約などのいわゆる社会常識が皆無であるなか"どうしたらいいの?でもまあ、何とかなるか~"的な適当さは「そんな感じだよね」と視聴者に親近感を与える。特に銃撃戦が繰り広げられるアクションシーンが激しいだけに、ダラダラと二人で過ごす日常が何とも言えず"良き"となるのだ。

物語のラストは、ちさとがメイドカフェでの横暴にキレてつい殺してしまった本宮泰風演じるヤクザの組長・浜岡一平の仇をとるため、浜岡の娘・ひまり(秋谷百音)の呼び出しに応じる形で敵アジトに二人が乗り込むシーン。待ち受けるのはアクション俳優として有名な三元雅芸演じる渡部ら。

約7分にわたる大立ち回りのなか、伊澤は肉体をぶつけ合うアクション、髙石はドンパチの銃撃戦で相手を倒していく。ここでも髙石はどこかコミカルな間をもたらして、作品に緩急をつけている。最後、マシンガンを手にしてひまりを滅多撃ちにしながら見せる表情は、ちさとというキャラクターを十二分に理解していると思わせるほど痛快であり、まだまだシリーズが続くことを期待してしまうほど魅力的だった。

文=磯部正和

この記事の全ての画像を見る

放送情報【スカパー!】

ベイビーわるきゅーれ<PG-12>
放送日時:3月9日(土) 6:15~ほか
ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
放送日時:3月16日(土) 6:00~ほか

※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物