奥 智哉青木崇高が「十角館の殺人」で共演!「空き時間によく謎解きをしていました」

全世界でシリーズ670万部の大ベストセラーを誇る綾辻行人の傑作ミステリー小説にしてデビュー作の「十角館の殺人」が、Huluオリジナルドラマとして3月22日から独占配信される。緻密かつ巧妙な叙述トリックで読者を惑わせ、たった1行で事件の真相を描く本作は、長年の間「映像化不可能」と言われてきた。その高いハードルに挑んだのが、連続ドラマW「石の繭」やドラマ「相棒」でおなじみの内片 輝監督。脚本をドラマ「半沢直樹」で知られる八津弘幸や、早野円・藤井香織が手掛けた。

主演を務める奥 智哉
主演を務める奥 智哉

そんな本作で初のドラマ主演を務めるのが、NHKドラマ「大奥」に出演したことでも注目を集めた奥智哉。「十角館の殺人」で奥が演じるのは、死者から届いた手紙をきっかけに、天才建築家・中村青司の死の真相について調査を始めることになる元ミステリー研究会メンバー・江南(かわみなみ)孝明。そして、江南と共に謎を解き明かしていくバディの島田潔を青木崇高が演じている。

主人公・江南のバディ・島田潔を演じる青木崇高
主人公・江南のバディ・島田潔を演じる青木崇高

ミステリー研究会のメンバーたちは、本土から遠く離れた角島(つのじま)にあり、十角形の奇妙な外観を持つ「十角館」に合宿のために船で渡る。その一方で本土にいる江南と島田は、半年前に角島で起きた「青屋敷事件」で死んだはずの手紙の送り主の真実に迫っていく...。ドラマ初主演にしてミステリーファンの注目を集める作品にチャレンジすることになった奥と、内片監督とは長年の付き合いである青木が演じる凸凹コンビは本作の見どころのひとつ。

今回は配信に先駆けて、撮影中の待ち時間にも謎解きクイズに熱中していたという奥と青木の2人に話を聞いた。

――長い間「映像化不可能」と言われてきた本作ですが、撮影中に意識されていたことはありますか?

「映像化不可能ということに関しては、僕はなるべく考えないようにしていました。ベテランの役者の方々とお芝居するシーンがほとんどだったので、とにかくリラックスして監督を信頼し、僕は僕のやるべきことを全うしようと思いました」

青木「僕は現場をいかにリラックスした雰囲気に持っていけるか。監督やプロデューサー率いるチームは以前から現場で一緒だったメンバーなので、コミュニケーションもとりやすくて楽しかったですね」

――奥さんはドラマ初主演となりますね

「情報が解禁されてからようやく実感が湧きました。小・中学校と一緒だった友達がもともと原作が大好きだったらしく、『ほんとに映像化するの?』ってメッセージが届いた時に『このドラマに主演で携わるんだな』って」

青木「(奥は)僕よりセリフもロケも多いし、朝も早いので『体調を崩さないように』って親戚のおじさんみたいな気持ちでした(笑)。とは言っても、暑さでバテたのは僕の方なんですが」

「夏なのに衣装が冬モノでしたからね...」

――年の差を超えたバディぶりが面白いですが、どんなふうに役作りを?

「クランクインする前から監督に『島田と江南(通称:コナン)のやりとりはテンポ感やテンションを大事にしてほしい』とお聞きしていたんです。青木さんのお芝居を受けて素直に反応することを監督から初めて言語化して教えていただいたので、撮影では『ちゃんとお芝居ができた!』という初めての感覚が自分の中に生まれました。今まで自分の中でモヤモヤしていたものがすっきり晴れて、島田と江南のやりとりを通じてお芝居することの楽しさにより気付けました」

青木「2人のコンビネーションはこのドラマにおけるひとつの見どころですからね。このシーンでは相手が何を考えているのかわからないとか、このシーンでは一気にバディ感が増すとか、シーンごとの目的をクリアにしながら、観る方に届くように演じていました。島田は空気が読めないから、江南になだめられたり突っ込まれたりするんですが、島田からしたら『いやいや、江南も大概やで』って(笑)」

「はは(笑)。実際、そうですね」

――江南と島田は2人とも空気が読めないタイプ?

青木「そう、そう。共通しているのはミステリー好き。そこが2人の行動のモチベーションになっていますね」

――撮影の待ち時間はどんなことを話されたりしていたんでしょうか?

「空き時間によく謎解きをしていました」

青木「ネットのクイズですね、なぞなぞみたいな。文字埋めや暗号解読とか」

「僕は全くついていけなかったですね。謎解きみたいにひとつひとつ緻密に組み立てて答えに辿り着くまでの過程が苦手なんですよ(笑)」

青木「(笑)江南の大好物じゃん。あとは『ジョジョの奇妙な冒険』が好きという共通点がありますね。あれも謎を解いていくので」


――今回演じた役とご自身の共通点はありますか?

「良い意味で子供っぽさを持っていて純粋。自分の知的欲求に素直すぎるところは自分に似ているところがあると思います」

青木「僕は空気を読まないところ(笑)」

「でも、いつも現場を良い空気にしてくださいました」

青木「こういう優しいフォローをしてくれるんです(笑)。公式コメントでも『お芝居だけでなく、人としての在り方についても教えていただき』と言ってくれていますが、僕、そんなこと一切言ってないと思うんですよ(笑)」

「教えていただきました!一緒にいて、良い意味で、ずっと子供心を忘れてない方なんだろうなっていうのも感じましたね」

青木「優しいんですよ。人の話を受けて自分の意見を挟んでいく感じもすごくナチュラルですしね」

――島田には好奇心旺盛なところと冷静なところの両面がありますね

青木「賢い人ですよね。ミステリーは周りが見えていないと解けないし、知的好奇心があっても全方位を見るスタンスでないと前に進めない。島田は人との距離の取り方が独特で、江南が打ちひしがれていても、わざとひねくれた言い方をするんです。でも、僕はそれが島田なりの優しさだと思っていて、『生きてりゃ悲しいことも沢山あるけど、結局乗り越えるのは自分の力でしかないんだ』と伝えたかったんじゃないかなと思っています」

――本作は3月に配信開始ですが、春の忘れられない思い出はありますか?

「地元の桜祭りですかね」

青木「いいですねぇ」

「コロナ禍で開催されなくなってしまったので、もう何年も行けていないんですが、桜並木に出店が出ていて、そこで小学生の時に友達や家族と焼き鳥を食べたことが思い出です」

青木「僕も東京に出てきてから目黒川沿いの桜祭りに行ったんですよ。区域の小学校に春にちなんだ俳句が貼られていたんだけど、子供らしい句が並ぶ中、小学校5年生が詠んだ句に『桜散り なぜか涙が 溢れ出す』というのがあって、『どんだけセンシティブやねん!』って(笑)」

「すごいですね(笑)」

青木「どんなことがあったのか知りませんけどね」

「失恋しちゃったのかな」

――では、今年の春、トライしてみたいことはありますか?

「12歳の時以来行っていないので、海外旅行に行きたいですね。イタリアに1人で行きたい」

青木「即答ってことはイタリアでやりたいことが?」

「はい!本場のイタリア料理も食べたいですし、青の洞窟とかヴェネツィアの街並みとか、観光したいですね」

青木「いいですね。僕はテント持って自転車で旅したいですね。バイクや車でもいいですけど、荷物積んでキャンプとかしたいです」

撮影=皆藤健治 取材・文=山本弘子

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配信情報

Huluオリジナル「十角館の殺人」
配信日時:3月22日(金)10時~Huluで一挙独占配信中(全5話)

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