前作で芹沢(山田孝之)軍団を倒したものの、鈴蘭最強の男と言われる"リンダマン"こと林田に敗北した源治(小栗)。そのイライラを募らせていたところに、鈴蘭の元頭で刺殺事件を起こした川西(阿部進之介)が少年院から出てきて、2年前の事件を恨む鳳仙学園の幹部に襲撃され、挑発された源治は鳳仙の生徒を殴ってしまう。この出来事により、結ばれていた「停戦協定」が破られ、両校は一触即発の状態に陥るが、源治は投げやり状態。源治率いるG.P.Sの伊崎(高岡蒼甫)にも鈴蘭を背負う自覚を持つように言われ、芹沢も「半端な気持ちで背負ってるんじゃねーぞ」と苦言を呈する。バラバラなままのカラス軍団をどうにかする気力もなくしている源治はある日、組長の父親(岸谷五朗)に呼び出され、殴り合いに。「お前のパンチには怒りしかない」と、頭になるための大事なものが欠けていることを指摘される。
そんな中、鳳仙の頭の鳴海(金子)は芹沢を倒した男、源治に興味津々。2年前に川西に兄を殺され、1年生にして幹部入りした冷静沈着な美藤(三浦)を呼び出し、「鈴蘭を潰す」と宣言する。
■たった1人で鳳仙に乗り込んでいく小栗に痺れる
前半と後半で小栗が全く違う表情を見せるのも、続編の見どころのひとつだ。仲間や父親の言葉を受け止めた源治が自分なりに考えて、荒れ果てている鈴蘭のアナウンス室から、「力を貸してほしい」とメッセージを送ったのだ。この場面のセリフは全てアドリブだったということだが、一匹狼体質だった源治が不器用ながら変わろうとしている心情がリアルに伝わってくる。
しかし、それでもまとまらない鈴蘭に「勝てない戦争をやっても意味がない」と学校から出ていく源治が落とし前をつけるために、たった1人で鳳仙へと向かう。その途中で気合いを入れるかのように髪を束ねるシーンは痺れるほどのかっこよさだ。
そして、続編最大のクライマックスは、鳳仙のグラウンドや校内で総勢500人が拳と拳で死闘を繰り広げる場面。本能を解き放ち、雄叫びをあげながら敵に向かっていく壮大な戦いのシーンは、まるで藩を取り合う合戦のようでもあり、刃物などの武器を使ったら、仲間であっても容赦なく鉄槌を下す潔さは不良の美学。爽快感すら感じさせる源治の暴れっぷりと成長を、小栗の演技と共に楽しめる。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
クローズZERO Ⅱ
放送日時:2024年5月10日(金)10:45~ ほか
チャンネル:WOWOWプラス
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