小泉今日子、原田知世らと醸し出す自然な空気感！松本佳奈監督×小林聡美主演のスローライフ・ムービー

人気脚本家・野木亜紀子によるオリジナルドラマ「連続ドラマＷ フェンス」が、昨年3月に放送・配信され大きな注目を集めた。2022年に本土復帰50年を迎えた沖縄を舞台とするこのエンターテインメント・クライムサスペンスの監督は松本佳奈。近年では他にも今年1月期に放送された良質なホームドラマ「春になったら」や、9月1日(日)から放送スタートするプレミアムドラマ「団地のふたり」など、精力的に創作活動を行なっている。

松本監督と言えば、名優・小林聡美を主演に迎えた作品が数多く挙げられる。前述の「団地のふたり」やＷＯＷＯＷオリジナルドラマ「ペンションメッツァ」(2021年)、「連続ドラマＷ パンとスープとネコ日和」(2013年)でもタッグを組んできたが、2010年の「マザーウォーター」、翌年の「東京オアシス」の映画2作も広く知られている。両作品ともに小林と同世代のスター女優らが出演する豪華キャストによるスローライフ・ムービーだ。

8月21日(水)にＷＯＷＯＷシネマで放送される「マザーウォーター」は、松本監督が初めて手がけた映画。京都を舞台に独特の緩やかなリズムと雰囲気で心豊かな生き方を魅力的に描く群像劇で、共演に小泉今日子を迎えた。

豊かな水に恵まれた京都で暮らす、バーの女主人のセツコ(小林)、カフェを営むタカコ(小泉)、そして豆腐屋のハツミ(市川実日子)。3人の女性たちは店で出す品に独特のこだわりを持ちながら、日々の生活を静かに送っていた。それぞれの店を行き交う町内の客たちを介して彼女たちも互いに顔見知りとなり、ささやかな連帯の輪を広げていく。

喧騒を離れた古都の町にはゆったりとした時間が流れ、小さな川や生活の音がささやくように聞こえてくる。その中を生きる人々は少しずつ変化しながらも日常を営む。巡り巡ってセツコとタカコも出会い、ウイスキーやコーヒーを片手に程よい距離感で語り合う。小林と小泉、同世代ながらまったくタイプの異なる女優2人が生み出す自然な空気感が心地良い。特別なことやドラマティックな事件は起きないが、不思議な余韻を残す作品だ。

この記事の全ての画像を見る