江波は感情がわかりやすく顔に出るタイプ。シーズン2では、息子を連れて水根に引っ越してきた夏子に一目惚れをするのだが、以降、彼女に会うたびにデレデレ。遼子の父親であり、元水根の駐在員だった兵次(泉谷しげる)が登場する回では、「行くところがない」という兵次の押しの強さに負けて、警視庁のキャリアでバディ的存在の軽部(佐藤寛太)と3人で交番に泊まることになる場面も。
元刑事の勘を働かせて住民を守る一方で、情に弱い下町気質の警官。そんな江波は寺島の持ち味にぴったりのキャラクターだ。殺人事件が起き、容疑者が奥多摩山岳ガイドセンターに夏子とその息子の海人たちを人質にとって立てこもる第3話では、普段は江波を疎ましく思っている加倉井の意外な過去が明らかに――。SITの突入を躊躇う加倉井が、自分の進退を懸けてまで江波に犯人の捜査を任せ、江波も加倉井の決断を尊重する。その男同士の関係性の在り方が胸を打つ。
■憧れの夏子を巡る事件に江波の心が揺れまくる衝撃の最終回
「夫は亡くなった」と海人にも周りにも伝えていた夏子、しかし、観音滝付近で夏子の元夫の死体が見つかるという事件が発生する。同時に、夏子を訪ねて水根にきた友人・薫(松本若菜)にも不審な点があり、2人は事件の参考人として警察署で聴取を受けることになる。
「最近、お母さんの様子がおかしい」と海人に相談された江波は、自身も動揺する中、警察に直談判。気持ちを察した加倉井が、江波が捜査をすることを禁じるが、江波はショックを押し込めるように「俺は警察官です!」とキッパリ。驚くべき真相が明らかになっていく中、夏子の息子。海人とのやり取りは心に深く刻まれる。寺島の人生経験や飾らない人柄が、愛される駐在さん・江波の演技に繋がっていると思わせられる作品だ。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
駐在刑事 Season2
放送日時:2024年9月3日(火)20:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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