小泉今日子の多様な演技に魅かれる！蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴の豪華女優陣が出演した「連続ドラマW　贖罪」

本作は殺害された少女の母親を含む5人を主人公として、その後に起こる悲劇が1話ずつ描かれていく構成。紗英(蒼井優)は犯人への恐怖から男性に対する警戒心を抱き、女性のみの職場・美容サロンで働いていた。そんなある日、小学校が一緒だった地元の御曹司・孝博(森山未來)に翻弄されることに。真紀(小池栄子)は曲がったことが許せない堅物の小学校の教諭になり、晶子(安藤サクラ)は、自分が普通の生活をすることを申し訳なく思い、引きこもりになってしまう。そして、由佳(池脇千鶴)は欲望のままに生きてたが、事件を知らせに交番に行った記憶に囚われることになる。エミリが殺害された当時、麻子は犯人を覚えていないという４人の少女たちを自宅に招待。玄関でのにこやかな笑顔から一転...「私はあんたたちのことを絶対に許さない。なんとしても犯人を見つけなさい」と償いを迫る。子供でなくても震え上がる小泉の美しくも冷酷さを孕んだ演技は１度見たら強烈で忘れられない。

■復讐を果たそうと生きてきた麻子が直面する自身の贖罪とは？

犯人がわからない中、事件から月日が経ち、麻子は大人になった彼女たちが小学生の時の約束を果たすために自分の人生を犠牲にしていることを知ることになる。この15年の時をまたいだ悲劇の連鎖を止めなければならないと考え直した麻子だったが、犯人の手がかりを掴んだという由佳の思いがけない言葉に再び、心が乱されていく。

娘を殺害した犯人は誰なのか？思いも寄らない展開はミステリー色が強く、漆黒の衣装を着て他人の人生も巻き込み、彷徨い続ける女として体を張った小泉の熱演はスリル満点。そんな中、光を浴びて目を閉じ、しばし穏やかな表情を見せるシーンは印象深く、「贖罪」というテーマを再び浮かび上がらせる。重く切ない作品にも関わらず、第１話を観たら、最後まで観たくなる吸引力を持った本作をぜひ堪能してほしい。

文＝山本弘子

この記事の全ての画像を見る