――今年で芸能活動10周年となりますが、桜井さんにとって激動の10年だったのではないかと思います。「岡山の奇跡」としてデビューした当時はどのような気持ちだったのでしょうか?
「『岡山の奇跡』というキャッチなフレーズで覚えてくださった方もたくさんいらっしゃると思うので、そのフレーズに対しての感謝はもちろんあるんですけど、ずっとプレッシャーを抱えながら活動していました。たとえば、バラエティ番組に出た時に『岡山の奇跡の桜井日奈子ちゃんです』と紹介された時に、『私が岡山の奇跡です』という開き直った返答もできず、ただ謙遜することしかできなくて。最初は戸惑っていたというのが本音です」
――プレッシャーが大きかったんですね
「あとは、そのフレーズに対して『お前ごときが岡山の奇跡なんて失礼だ』ってすごくバッシングもたくさん受けて。このフレーズ自体は美少女コンテストの時に生まれたキャッチフレーズで、自分が言ってることでもないのに、なんで叩かれなきゃいけないんだと思っていました。でも、10年経った現在は『そんなことありましたね』って笑いに変えられるようになったので、もう大丈夫です」
――ポジティブにと言ったらあれですけど、今は過去は過去として受け入れられている
「そうですね。10年経って、少しずつではあるんですけど、『岡山の奇跡』というフレーズに頼らなくてもいいくらいには自分に自信がついてきました。なので、今はあってもなくてもっていう感じです(笑)。これからは『岡山の奇跡の桜井日奈子』ではなく、『桜井日奈子』としてもっと多くの人に知っていただきたいですね」
――俳優としてはこの先はどうなっていきたいですか?
「見ていて面白いと思ってもらえる俳優を目指していきたいです。桜井日奈子が出てるから、この作品は面白そうと思ってもらえるようなところまで頑張りたいな。去年、黒柳徹子さんとご一緒させていただいた時に、90歳を超えても現役で舞台に立たれていることに衝撃を受けたんです。私もこれからまだまだ長い俳優人生を楽しみながら、生涯俳優として活動していけたら嬉しいですね」
取材・文=川崎龍也 撮影=MISUMI
作品情報
「桜井日奈子10周年記念写真集 鴇色」
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