田村正和中森明菜笑福亭鶴瓶との推理合戦で緩急ある圧巻の演技を見せた「警部補・古畑任三郎」第1シリーズ

「警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(全12話)」<デジタルリマスター版>(日本映画専門チャンネル)
「警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(全12話)」<デジタルリマスター版>(日本映画専門チャンネル)

第4話「殺しのファックス」では、当時40代だった笑福亭鶴瓶が人気推理作家・幡随院役で登場する。妻を殺して土に埋め、狂言誘拐を仕組んだ幡随院。古畑は、彼が仕掛けるファックスを利用したトリックに挑む。放送当時はウィンドウズ95の登場でインターネットが普及する前、原稿などはワープロで打ちファックスで送信していた時代で、最新の情報機器としてファックスのタイマー予約などがトリックとして使われるのが、今見ると、かえって新鮮だ。

幡随院が仕事場にしている都心のホテルに誘拐事件専門の刑事たちが集合し、その中には、なぜか古畑と今泉もいた。部屋のファックスには「(妻の)身代金三千万円を要求する」などの脅迫文が次々に送られてきて、そのたびに振り回される捜査陣。だが、古畑は冷静に事件の推移を見つめ、幡随院を観察していた。

「警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(全12話)」<デジタルリマスター版>(日本映画専門チャンネル)
「警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(全12話)」<デジタルリマスター版>(日本映画専門チャンネル)

鶴瓶はいつものとおりの関西弁で、「妻が救出されないのは警察のせいや。女房を殺したのは、あんたらや」とまくし立てる。ふてぶてしいこと、この上ないが、古畑はそれに動じず、「(誘拐なのに)まるで奥さんが死んだことを知っているみたいですね」などと切り返す。ついに古畑が幡随院を追い詰めたときの、田村のニヤリと笑う表情と鶴瓶の驚愕する顔が痛快だ。この大物共演では、酸いも甘いも嚙み分ける「おじさん」同士のやりとりを存分に楽しめる。

文=小田慶子

この記事の全ての画像を見る

放送情報【スカパー!】

警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(全12話)<デジタルリマスター版>#1-2
放送日時: 10月15日(火)11:00~
警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(全12話)<デジタルリマスター版>#3-4
放送日時: 10月16日(水)11:00~
※以降、17日(木)に#5-6、21日(月)に#7-8、22日(火)に#9-10、23日(水)に#11-12を11:00に放送
チャンネル: 日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物