もはや伝説となっている第1シリーズ第1話「死者からの伝言」のゲストは中森明菜だった。歌手であり、俳優としても『素顔のままで』(1992年)などで熱演を披露してきた中森が、少女漫画家の小石川ちなみを演じている。
ちなみは山道沿いにある別荘を所有しており、その地下金庫室に恋愛関係にあった漫画雑誌編集長(池田成志)を閉じ込めて殺しながら、事故死を装って警察に電話する。古畑は偶然、その日、部下の今泉(西村雅彦/現・西村まさ彦)と共に、山道の途中で車の故障で立ち往生していた。そこで、電話を借りに、ちなみの別荘に立ち寄ったところ、ちなみから事情を打ち明けられる。古畑が地下に降りてみると、編集長はちなみの描いた漫画の原稿を握りしめ息絶えていた。
漫画家だけに「自分が手を下していない」というストーリーを組み立てるのには自信があるちなみは、「別荘に1カ月ぶりに来てみたら彼が死んでいた」というアリバイを冷静に主張する。ここでは中森の聞き取れないほど淡い声が効果的だ。対する古畑は、ちなみの言動の矛盾や愛犬の様子から、彼女こそ犯人だと見破る。あれこれ細かいことを質問しては、ちなみの反感を買って「すみません」と謝るものの、決して追及を緩めることがないという古畑のキャラクターは第1話にして完成している。優れたコメディセンスを持つ田村の緩急織り交ぜたセリフ回しは、さすがだ。
事件解決後もちなみは古畑にとって特別な存在になり、その後のエピソードでもたびたび彼女の存在に触れられる。ちなみの漫画「カリマンタンの城」を古畑が読んでいる場面も出てくる。
放送情報【スカパー!】
警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(全12話)<デジタルリマスター版>#1-2
放送日時: 10月15日(火)11:00~
警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(全12話)<デジタルリマスター版>#3-4
放送日時: 10月16日(水)11:00~
※以降、17日(木)に#5-6、21日(月)に#7-8、22日(火)に#9-10、23日(水)に#11-12を11:00に放送
チャンネル: 日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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