田村正和が真田広之演じるメディアプランナーや、福山雅治によるメガネ&白衣着用の化学者とスリリングな頭脳戦を繰り広げた「古畑任三郎」第3シリーズ
- 俳優・女優
- 2024.10.30
2021年に惜しくも77歳で亡くなった俳優・田村正和の代表作であるドラマ「古畑任三郎」シリーズ。真田広之や福山雅治など多彩なゲストが出演していた第3シリーズ(1999年)が、日本映画専門チャンネルで11月6日(水)より放送される。
真田広之といえば、今やハリウッドで活躍する日本人俳優の代表格。2024年、時代劇ドラマ「SHOGUN 将軍」に主演し、みずからプロデューサーも務め、アメリカテレビ界最高の栄誉であるエミー賞作品賞、主演男優賞(ドラマシリーズ部門)に輝いたのも、記憶に新しいところだ。そんな真田が38歳のとき、脚本家の三谷幸喜と田村正和がタッグを組んだドラマシリーズ「古畑任三郎」に出演した貴重な回がある。日本で出演した連続ドラマとしては最後となった「古畑任三郎 第3シリーズ」の第2話「その男、多忙につき」だ。
警視庁捜査一課の古畑任三郎(田村正和)は、観察眼と推理力に優れ、巧みな話術で犯人を自供に導くベテラン刑事。この第2話では、不倫が発覚した都議会議員・岩田(佐渡稔)がホテルの部屋で死体となって見つかる。手にピストルを持って頭を撃ち抜いているように見え、自殺かと思われたが、古畑は、部屋の状況や死亡推定時間直前の岩田の行動に不審を抱き、他殺事件として捜査を始める。そして、そのホテルに泊まっているメディア・プランナー、由良(真田広之)に疑いの目を向ける。
由良が岩田を殺したとすると、由良には、犯行時間に自室から秘書に電話をかけたというアリバイがあり、その通話も録音してある。だが、古畑は、通話記録に残された由良のドラマの企画アイデアに、犯人でしか知り得ない状況があることに気付く。古畑が容疑者である由良にぴったりと張り付いて、しつこく細かいことを質問していくのは、いつものパターン。しかし、由良はワーカホリックでせっかちな性格ゆえに、いら立ちを隠せず、古畑に情報量を与えすぎたために墓穴を掘ってしまう。
真田はそんな由良を早口のセリフ回しや目線の動きで的確に表現。田村との会話を続けるやりとりは、劇作家でもある三谷の台本だけにかなり演劇的だが、このドラマが制作された1999年当時、真田は国内外でシェイクスピア劇に挑戦していた。三谷ワールドにも違和感なく溶け込み、そして、翌年には三谷の舞台「オケピ!」の主演として迎えられることになる。
シェイクスピア劇しかり、主演ドラマのヒット作「高校教師」(1993年)しかり、最近も映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」(2023年)など、真田はヒロイックに敵を倒すというよりは、追い詰められ倒されてしまうという役回りも多い。そんな真田の悲哀を感じさせる演技がこのエピソードでも堪能できる。
放送情報【スカパー!】
古畑任三郎(第3シリーズ)<デジタルリマスター版> #1-2
放送日時: 11月6日(水)10:50~
古畑任三郎(第3シリーズ)<デジタルリマスター版> #8-9
放送日時: 11月13日(水)11:00~
チャンネル: 日本映画専門チャンネル
※#3-4を11月11日(月)、#6-7を12日(火)、#10-11を14日(木)に、それぞれ11:00より放送
※諸般の都合により第5話は欠番となります。
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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