銀行や中小企業を舞台にした痛快な作品を生み続ける作家・池井戸潤。池井戸作品の中にあって"新機軸ミステリー"と評された小説をドラマ化したのが、2023年に放送された「ハヤブサ消防団」だ。
山間にある八百万町・ハヤブサ地区で暮らし始めたミステリー作家・三馬太郎が事件や陰謀に巻き込まれてゆく物語で、主演は"カメレオン俳優"として知られる中村倫也が務めた。また、ヒロインとなる映像ディレクター・立木彩を川口春奈が演じている。ここでは中村と川口の演技について見ていきたい。
■親しみやすい主人公を中村倫也が好演!
著名な新人賞を受賞したもののヒット作を生み出せず、鬱屈とした日々を送っていた作家・三馬太郎は、ふとしたことがきっかけで、かつて何度か訪れたことのある父の実家に足を運ぶ。中村が演じる太郎は、物語の当初から純で人の良さそうな雰囲気がある。編集者との電話では少し幼さが残っているような口調で話し、ハヤブサ地区で出会った人にも、遠慮がちながら丁寧に接する。また、空き家となっていた実家にいた虫に怯えるなど、少々情けない部分も見せたりする。
ミステリーの主人公としては頼りなく思えるが、むしろクセがなく、親しみやすいキャラクターとなっている。それだけに、危険な目に遭ったり、次々に起こる事件に太郎がどう対応するのか、つい見たくなってしまう妙な魅力があるのだ。
■中村の演技力が、強い意志も併せ持つ主人公を創り上げた
放送情報【スカパー!】
ハヤブサ消防団
放送日時:2024年12月16日(月) 19:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
詳しくはこちら