綾野剛の凄みにも圧倒...岡田准一が極限状態の焦燥感を見事に表現した韓国映画の日本版リメイク「最後まで行く」

「最後まで行く(2023)」
「最後まで行く(2023)」

(C)2023映画「最後まで行く」製作委員会

「パラサイト 半地下の家族」(2019年)でも知られる故イ・ソンギュンが演じた悪徳警官ゴンスにあたる刑事・工藤を岡田准一が演じており、裏金なんて日常茶飯事の汚職刑事というダーティな役どころを、ガサツな口調やワイルドな表情など荒っぽい演技で表現した。

そんな粗暴な言動とは裏腹に、内心ではいつバレるかビビりまくりで、何とかして事態を隠し通そうとする男の焦りを、思わずクスっと笑ってしまうコミカルさも内包しながら体現。事故現場の監視カメラに気づき絶望で泣きそうになったり、謎の目撃者からの脅迫メールに目を見開いて怯えたりと、これまでのイメージを覆す、人間の脆さや醜さをにじませたギャップのある姿に引き込まれていく。

「最後まで行く(2023)」
「最後まで行く(2023)」

(C)2023映画「最後まで行く」製作委員会

一方、そんな工藤の汚職を咎めるのかと思いきや、それ以上の事について尋ね、じわじわと追い詰めていくのが綾野剛演じる監察官・矢崎。韓国版ではチョ・ジヌンが演じたパク・チャンミンにあたるキャラクターだ。

縁無しメガネ越しに放たれる鋭い眼差しなど冷徹な表情が不気味な矢崎だが、彼もまたある事情から追い込まれており、初めは冷静だったものの、突如、ブチギレて喚き散らしたり、躊躇なく手を出したりと次第に感情を露わにしていく。近年ダークな役柄が続く綾野の凄みが抜群で、工藤を激しく殴りつける様子など、手のつけられない狂犬かのような姿がとにかく恐ろしい。

ベースとなる物語の筋はオリジナル版に忠実だが、文化の違いに合わせて細部がアレンジされていたり、キャラクター像が深堀りされていたりと異なるポイントも多いこの日本版リメイク。韓国のオリジナル版も同日に放送されるので、日韓の違いを見比べながらじっくりと堪能してみてはいかがだろうか。

文=HOMINIS編集部

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放送情報【スカパー!】

最後まで行く(2023)
放送日時:2024年11月30日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
放送日時:2024年12月31日(火)15:00~
チャンネル:WOWOWプライム

最後まで行く(2014)
放送日時:2024年11月30日(土)18:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
放送日時:2024年12月31日(火)13:00~
チャンネル:WOWOWプライム

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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