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(C)2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.
物語は、俊介の会社の同僚たちがサプライズで仕掛けたパーティから始まる。パーティが自分の結婚を祝う会と知った時の俊介の人の良さそうな驚き方や、その後の笑顔などはどこからどう見ても好青年だ。友人の加瀬悦郎(永山絢斗)に結婚を祝福され、「ありがとう」と答えた時の声にも、温かな気持ちがこもっているように感じられる。
そんな順風満帆で誰からも好かれている俊介だが、その直後にマンホールに落ちてしまう。そこからが、中島の演技の見せどころだ。
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(C)2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.
マンホールの中で意識が戻ってきた時の、驚きを感じられる目の開き方や、穴の底から「誰かいませんか!」と叫ぶ時の焦りと不安が入り混じった表情。危機的状況に陥った様子が、目と声、息遣いなどから強く伝わってくる。特に"目の演技"はポイントで、不安や恐怖、苛(いら)立ちはもちろん、SNSを駆使して助けを求める時の集中している様子や、元恋人・工藤舞(奈緒)と電話で話す時のホッとした空気など、さまざまなものが感じ取れるのだ。
本作のほとんどは、俊介が穴の底で悪戦苦闘するシーンで構成されているが、俊介の表情や目を見ているだけで時間が経つのを忘れてしまう。俊介1人のシーンが続く本作でそこまで引き込む中島の演技力は絶品というほかない。
物語が進むと、俊介の目はさらに別のものを語る。自分をこんな目に遭わせた人物を探す過程で、俊介は悦郎との電話で「人間は簡単に一線を越えられる」と話す。その時はなぜか、どこか虚ろで、遠いものを見ているような雰囲気になるのだ。川村の心情がどのようなものなのか気になってしまうし、そう思わせる中島の演技はさすがと言える。
■"声の演技"だけでたっぷり心情が伝わってくる奈緒の演技力
放送情報【スカパー!】
#マンホール
放送日時:2025年2月7日(金)21:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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