
2004年に放送された「相棒 season3」は、人気が定着して新たな局面に入ったシーズンだと位置づけられる。その幕開けは政界の闇に杉下右京(水谷豊)&亀山薫(寺脇康文)が切りこんだ「双頭の悪魔」。第1話のスペシャルから3話にわたって描かれた異例の3部作。絶対的な権力を誇り、政界に君臨する内閣官房長官・朱雀武比古(本田博太郎)の悪役ぶりが素晴らしい。薫が特命係から麹町東署に転属となったり、恋人の美和子(鈴木砂羽)との仲が引き裂かれるなど、人間関係に大きな変化があったことも特徴だ。
続くエピソードの「女優」も前後編の長尺で、羽田美智子演じる女優の小峰夕月が登場。朱雀の逆恨みで免職になった右京が特命係ではなく、所轄署の海音寺署長(竹中直人)の依頼で事件解明に臨む。
第8話「潜入捜査」も印象深いエピソード。小野田官房長(岸部一徳)の依頼で急成長のIT企業に潜入捜査をする物語で、過激派を金銭援助しているという若手社長の北潟(保坂尚輝)に迫る。特に警備員に扮した右京の同僚となる葛城(温水洋一)の演技は必見だ。ファンの間では、温水の芸歴で最もカッコいい役だったとも語り継がれている。
第11話「ありふれた殺人」は、コアな相棒ファンの間でベストワンに挙げる人も多い名作。「20年前に人を殺した」、と突然告白される薫。小見山(信太昌之)というその男は、20年前、当時高校生だった坪井里子(小林千恵)を殺害。事件は5年前に時効が成立し、民事時効も成立していた。なぜ小見山が自首したのか。薫がその謎を追うが...。シリーズの人気を支えた脚本家の一人で、名作を連発した櫻井武晴の筆致が冴え、あまりにも悲しいラストの余韻と被害者の父親を演じた上田耕一の哀愁たっぷりの名演がしみる。
放送情報【スカパー!】
相棒 season3
放送日時:3月17日(月) スタート
毎週月曜~金曜日23:00~
放送チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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