
中国のベストセラー作家ズー・ジンチェン(紫金陳)による小説「悪童たち」を、日本で映画化した犯罪サスペンス「ゴールド・ボーイ」。岡田将生や黒木華という今や邦画界を代表する存在となった実力派と、フレッシュな少年少女たちが巻き起こす化学反応には興奮すること必至で、二転三転したのちに辿り着く衝撃の結末と共に、強烈に胸に突き刺さる映画となった。
ズー・ジンチェンは"中国の東野圭吾"とも評されるベストセラー作家。殺人犯と少年たちの頭脳戦を描いた原作は、動画サイト・iQIYI(アイチーイー)でドラマ化され、総再生回数20億回を突破する大ヒットを記録、社会現象を巻き起こした。日本での映画化にあたってメガホンを取ったのは、「平成ガメラ」3部作の金子修介監督。多数の作品で若手俳優の輝きを捉えてきた金子監督だけに、本作でも羽村仁成、星乃あんな、前出燿志らの魅力をぐいぐいと引き出している。

(C)2024「ゴールド・ボーイ」製作委員会
舞台となるのは沖縄。裕福な事業家の娘の夫・昇(岡田)は、事業家から莫大な資産を奪おうと義父母をある断崖から突き落として殺す。だが、その光景は偶然3人の少年少女、朝陽(羽村)、夏月(星乃)とその義兄・浩(前出)によって映像として記録されていた。恵まれない家庭生活を送っていた朝陽ら3人は、少年法のもと、自分たちは重罰を受けないと開き直り、その映像をネタにして昇を脅迫して口止め料の大金を得ようと行動を起こす...。
まず、冷酷非道な男を演じる岡田が、たまらなくいい。悪魔的な計画を遂行する中で見せるゾクリとするような笑顔、子どもたちに追い詰められていく苛立ちなどを見事に表現し、こちらも昇の陥っていく深い穴の行方を見届けたくなる。個性的な役までを演じきり、30代に突入してますます脂の乗ったいい役者として活躍の場を広げている岡田だが、今回も見る者が「昇はどういう人なんだろう?」と背景や過去までを知りたくなるようなキャラクターを生み出している。
朝陽の母親役を演じた黒木は、母としての強さ、弱さを鮮やかに体現。黒木演じる母の目線で、子どもたちを見守っていく人も多いことだろう。
放送情報【スカパー!】
ゴールド・ボーイ
放送日時:2025年4月13日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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