
2025年1月期の日曜劇場「御上先生」が好評を博している。主演の松坂桃李のほか、生徒役にも若手注目株が揃い、2025年度後期連続テレビ小説のヒロインを務める高石あかり(※「高」は正しくは「はしご高」)、奥平大兼、蒔田彩珠、窪塚愛流らが出演。古くは「3年B組金八先生」や「GTO」など、学園ドラマは各年代で大ヒットしたシリーズも多く、同時に次世代スター俳優の登竜門とも言える。
そんな学園ドラマの中で、2010年代の話題作として思い浮かぶのが「鈴木先生」(2011年)だ。各方面で波紋を呼んだ同作の映画化となる「映画 鈴木先生」(2013年)が5月10日(土)にWOWOWシネマで放送される。
本シリーズは、2007年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した武富健治による原作を基にした学園ドラマ。平凡な中学校教師がどこにでも起こり得る問題について過剰に悩みつつ独自の教育理論によって解決していく様を描き、クオリティの高さが評判を呼んだ。TV版のその後である2学期を舞台とした映画版も大きな話題を呼んだ。

(C)2013 映画「鈴木先生」製作委員会
当時すでに舞台でも活躍していた長谷川博己が今作でドラマ初主演。今や実力派のベテラン俳優である長谷川だが、ドラマ版の前後は「セカンドバージン」(2010年)や「家政婦のミタ」(2011年)でちょうどブレイク中だった。一見普通に見える生徒たちほど心の中には鬱屈したものを抱えている...そう感じている国語教師・鈴木章を見事に演じている。
トレードマークの黒縁メガネとループタイも印象的だ。鈴木は教育現場の常識を打ち破り、独自の教育メソッドを駆使して、生徒たちに起こる事件に誠実かつ情熱的に対応し、理想のクラスを作り上げようと奮闘していた。そして迎えた2学期、教育方針の対立によってヒステリーを起こし自宅療養していた天敵の家庭科教師・足子先生が復活。生徒会選挙も始まり、思わぬ展開に苦悩する。
実験に欠かせない"スペシャル・ファクター"である女子生徒・小川蘇美を重要視するがゆえの妄想もますますヒートアップ。長谷川は、コミカルなリアクションも見せつつ理屈っぽい長台詞を滔々と語り、妄想も織り交ぜて苦悩しながら奮闘する、人間くさい教師を熱演した。鬱陶しがられても生徒の成長を時に厳しく温かく見守る。青くさい言葉にも真摯な思いと愛がある、"鈴木先生"という特異な、しかしある意味ではリアルな教師像を作り上げた。
生徒役には小川を演じた土屋太鳳のほか、オーディションを勝ち抜いた北村匠海、三浦透子、松岡茉優、小野花梨ら若手が起用されている。さらに、卒業生役で窪田正孝、風間俊介、浜野謙太も出演。今では主役級のキャストたちが集結した。真面目な優等生・出水を演じた北村は、小川への淡い想いや心の内に抱く複雑な感情も繊細に表現。生徒会選挙での迫真の演説シーンも見事で、当時からすでに演技力の高さを見せていた。三浦、松岡、小野らも「こんな子いたな...」と思わせるような女子中学生らしい姿を自然体で演じている。
放送情報【スカパー!】
映画 鈴木先生
放送日時:2025年5月10日(土)17:45~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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