
2024年2月にデビュー40周年を迎え、今年の2月にはアニバーサリーツアー「吉川晃司 40th Anniversary Live Tour」を武道館公演で締めくくった吉川晃司。代名詞のシンバルキックをはじめ、今年で還暦とは思えないパワフルな姿は健在で、新たに同い年で同郷の奥田民生とのユニット"Ooochie Koochie"をスタートさせるなど、衰え知らずのカリスマ性を放っている。
ミュージシャンと並行して俳優としても活躍し続けており「キングダム 大将軍の帰還」(2024年)では、趙国の総大将・龐煖を演じ、武神と自称する圧倒的強者を重厚に演じたことも記憶に新しい。そんな歌手であり、俳優でもある吉川のルーツと言える作品が、「音楽と映画で観る!吉川晃司特集」にもラインナップされている「すかんぴんウォーク」(1984年)だ。

(C)1984 渡辺プロダクション
5月7日(水)にWOWOWシネマで放送される「すかんぴんウォーク」は、吉川がデビュー直後から主演した青春映画シリーズ「民川裕司3部作」の第1作。主題歌の「モニカ」が大ヒットを記録するなど、水球で鍛えた上げた肉体とロックテイストの音楽で、新たなアイドル像を築き上げた吉川の鮮烈なデビューの一端を担った作品だ。
広島の高校3年生の裕司(吉川)は、東京の演劇界に憧れて六本木に上京し、喫茶店でウエーターとして働き出す。歌手を目指しながらもオーディションに落ち続ける先輩店員の吉夫(山田辰夫)のアパートで居候させてもらいながら、演劇の世界という夢を諦めそうになる裕司だったが、ロックミュージシャンとして意外な才能を目覚めさせていく。
吉川のサクセスストーリーと重ねながら、大森一樹監督が芸能界の光と影を描いており、広島から大志を抱いて上京し、苦労しながらもスターダムへの第一歩を踏み出していく裕司少年をはじめ、歌手志望の男や売れない女優といった若者たちが挫折を味わいながらも前に進んでいく様子を描いた辛口な青春ドラマだ。

(C)1984 渡辺プロダクション
これから売り出していく吉川にとってのある種のプロモーション映画でもあり、彼の魅力が満載。東京湾をバタフライで泳ぎながら現れるという度肝を抜かれる登場シーンをはじめ、ディスコでギターをかき鳴らしながら歌を披露する覚醒の一幕、「モニカ」(劇中タイトルは「THANKS」)のレコーディングなどスターダムを駆け上がる姿まで、華々しい姿が描かれている。
その一方で、自分の目指していた世界に進めない葛藤など、若者ならではのアイデンティティへの苦悩も体現しており、自身の人生をベースにしたからこそのリアリティのある演技も見ものだ。
放送情報【スカパー!】
すかんぴんウォーク
放送日時:2025年5月7日(水)19:00~
ユー★ガッタ★チャンス
放送日時:2025年5月8日(木)19:15~
テイク・イット・イージー
放送日時:2025年5月9日(金)19:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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