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大泉洋がハードボイルドな魅力を炸裂させる代表作「探偵はBARにいる」

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作家・東直己の推理小説「ススキノ探偵シリーズ」を原作とし、同シリーズの第2作にあたる『バーにかかってきた電話』を映画化した「探偵はBARにいる」(2011年)が日本映画専門チャンネルで5月5日(月・祝)に放送される。

コンビで依頼をこなす探偵(大泉洋)と高田(松田龍平)
コンビで依頼をこなす探偵・"俺"(大泉洋)と相棒の高田(松田龍平)

原作者と同じ北海道出身の大泉洋が主演を務め、舞台も北海道である。アジア最北の歓楽街・札幌ススキノで活躍する探偵・"俺"(大泉洋)のもとに、「コンドウキョウコ」と名乗る女性から「ある男に会い、彼にひとつ質問してほしい」という依頼が舞い込む。探偵は簡単な依頼だと引き受けたものの、その直後に危ない男たちに拉致されて雪中に埋められ、半殺しの目に遭う。辛くも脱出した探偵は、相棒の高田(松田龍平)と共に自力での調査を開始する。やがて彼らは、2年前の札幌再開発計画に絡んだ放火殺人事件とその実行犯の変死、さらに1年前に発生した実業家・霧島敏夫(西田敏行)の暴行殺人事件に迫っていく。その過程で探偵はクラブ「コンチェルト」の美人オーナー・沙織(小雪)と出会う。彼女は殺された霧島の元妻だった...。

ハードボイルドタッチのストーリーで、派手な格闘シーンも多くアクション色が満載。大泉演じる探偵もなかなか強いが、彼以上に高田の強さが異常なレベルで、迫力の格闘シーンも見どころだ。フィリップ・マーロウをはじめ、ハードボイルド作品の多くは主人公の人間的な魅力が軸となっているが、本作の主人公もなかなか個性的だ。主人公の氏名が不詳で誰からも名前を呼ばれない点も面白いが、携帯電話を持たずに行きつけのバー「ケラーオオハタ」の名刺を渡して、依頼人からの連絡は店の電話で受けるスタイル。それがタイトルの由来にもなっている。お調子者だが「依頼人を守る」という信念は揺るがず、ヤクザに脅されようと大男に半殺しにされようと、真実を徹底して追い続ける生きざまはカッコいい。相棒の高田は北海道大学農学部の助手で、空手の師範代でもある。彼の愛車は光岡自動車製のビュートだが、相当なおんぼろクルマ。辛うじて走っているが彼は非常に大切にしている様子。キザなセリフを吐いてもあまり板についていない探偵と、飄々として怠惰な雰囲気を漂わせる高田。そんな2人の凸凹コンビぶりなど、コミカルな場面も映画の魅力となっているが、基本的にはあくまでハードボイルド。ミステリアスな沙織の美しさや悪役たちをはじめ、妙にキャラが立った脇役陣の個性など、魅力満載の作品に仕上がっている。監督の橋本一をはじめ、脚本を手掛けた古沢良太、脚本兼プロデューサーの須藤泰司、音楽の池頼広というスタッフ陣は、テレビ朝日の「相棒」シリーズのメンバーが多数。最後まで展開が読めず、視聴者が謎解きに惹きつけられてしまうのは「相棒」同様だ。

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放送情報【スカパー!】

探偵はBARにいる<PG-12>
放送日時:2025年5月5日(月・祝)20:00~ほか

探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点<PG-12>
放送日時:2025年5月5日(月・祝)22:15~ほか

探偵はBARにいる3<PG-12>
放送日時:2025年5月6日(火・振休)00:25~ほか

放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくは
こちら

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