若き日の窪塚洋介井浦新の熱演を堪能できる!宮藤官九郎が脚本を手掛けた青春映画の名作「ピンポン」

俳優

©2002 「ピンポン」製作委員会

窪塚が本作で演じるのは、ペコこと星野裕。天才的な卓球の才能を持つが、自由奔放すぎて破天荒、まさに漫画から飛び出してきたようなキャラクターだ。子どもの頃から通っていた卓球場で、大学生を相手に賭け試合をする時のふてぶてしい態度や、体育館でコンデンスミルクをしゃぶりながら雑誌に見入ったり、ライバル校での試合に負けた帰りに電車のシートにうつ伏せになって泣いたりと、ペコという奔放すぎる人物像を、窪塚は違和感なく演じている。

©2002 「ピンポン」製作委員会

その一方で、親友のスマイルこと月本誠に対するピュアで温かな一面も、窪塚はしっかり魅せてくれる。インターハイの試合で本気になったスマイルを見守るような眼差しで見つめたり、かつてスマイルと一緒に撮った写真を見る時には、懐かしさと愛おしさが入り混じった絶妙な表情となる。そんなシーンには、なぜか窪塚と、窪塚が演じるペコを好きになってしまう不思議な魅力がある。

■クールな中に強さを秘めたスマイルを印象的に演じきった井浦新

そしてペコの親友・スマイルを演じたのが井浦だ。性格はペコと正反対で、クールでおとなしく、口調もボソボソと小さめだ。スマイルが最初に登場するのは電車のシーンで、うつむきながらルービックキューブを弄んでいる。その姿からは、鬱屈とした空気と同時に、揺るぎない何かが滲んでいるように感じられる。実はスマイルは、内に強いものを秘めているキャラクターで、状況次第で本性を出すことがある。

©2002 「ピンポン」製作委員会

例えばインターハイで強敵と当たった時、目を閉じて、ゆっくりと鼻歌を歌う。そんなスマイルからは、全身で何かを受け止めているような、また、身体から何かが湧き上がってくるような印象を受ける。そしてその後、相手を崖っぷちまで追い詰めるのだ。口数は少ないが、空気で感じさせ、スマイルを存在感のある人物に仕上げた井浦の演技もさすがと言えるだろう。

現在も第一線で活躍する窪塚と井浦。2人の若き日の熱演を、ぜひこの青春映画の名作で堪能してほしい。

文=堀慎二郎

この記事の全ての画像を見る
  1. 1
  2. 2
  1. 1
  2. 2

放送情報【スカパー!】

ピンポン
放送日時:2025年5月8日(木)21:30~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
こちら

Person

関連人物