水谷豊と共に「相棒」シリーズの人気を支える歴代相棒・寺脇康文、及川光博、成宮寛貴、反町隆史の魅力
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(C)テレビ朝日・東映
警視庁のエリート官僚だった尊は、上層部の密命を受け、2階級降格の上に左遷という形で特命係に配属される。ダークスーツを着て、上品な物腰が特徴のクールな頭脳派の尊。一見すると右京に似たタイプだが、実は運転が荒かったり負けず嫌いだったりと、ことあるごとに右京と張り合い、どこか親しみやすいキャラクターだ。
そんな尊を、及川が持ち前の王子様オーラを纏いながら好演。シーズン8・第3話「ミス・グリーンの秘密」では、自分の目の前で罪を犯そうとする女性をロマンチックな表現で説得するという、及川だからこそ生み出された名シーンを披露した。
当初は「君は亀山くんの代わりにはなれない」と右京に言われていた尊も、右京と絆を深めて行く中で、組織の論理より自身の正義感に従って行動するように。しかし、クローン人間を巡る殺人事件の捜査をきっかけに、警察庁長官官房付への異動を余儀なくされた。
■感動の名シーンも生み出した成宮寛貴が演じたのは歴代相棒の最年少・甲斐享

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続く3代目の相棒としてシーズン11から登場したのが、成宮寛貴演じる甲斐享だ。警察庁次長・甲斐峯秋(石坂浩二)を父に持つ享は、香港総領事の晩餐会で起きた殺人事件の捜査をきっかけに右京と知り合う。共に捜査を続ける中で右京にスカウトされ、享は不本意ながらも特命係に転属することに。
歴代の相棒の中で最年少の亨は、何を考えているのかが顔を見るだけでわかる上に、独り言で思ったことをすぐ口にする直情的なキャラクター。そんな亨を成宮は豊かな表情とハリのある声でフレッシュに表現し、右京を演じる水谷との対比を鮮やかに描き出した。
そんな亨と右京の絶妙なコンビネーションが味わえるのが、シーズン12・第18話「待ちぼうけ」だ。同話は巧みなストーリーテリングに加えて、ゲスト俳優・太川陽介と水谷、そして同じくゲスト俳優の芳本美代子と成宮、それぞれの演技合戦が心に残る傑作エピソードとして知られている。
■4代目相棒はキャリア官僚!反町隆史が演じたマイペースで人懐っこい冠城亘

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シーズン14から登場した新たな相棒・冠城亘を演じたのは反町隆史。人事交流の名目で法務省から出向してきたキャリア官僚でもある亘は、マイペースで人懐っこいタイプ。右京がいない間、特命係のスペースを使うことになった亘。捜査一課の刑事・伊丹憲一(川原和久)から「前に魔物が住んでいたんですよ」と脅されると少し怯えるなど、可愛らしい一面もある人物だ。歴代の相棒の中でも最も右京と対等で、「杉下さん」から「右京さん」への変化も早かった。そんな亘を反町は大きな身振り、驚きや戸惑いなどの豊かなリアクションで、親しみやすさを前面に押し出して表現した。
「シュレディンガーの猫」をモチーフにしたシーズン14・第17話「物理学者と猫」では、右京と亘の名コンビぶりも楽しめる。
事あるごとに行動を共にする中、亘が独断で犯した"捜査妨害"が原因で警視庁から追い出されることになったものの、警察学校での研修を経て本庁復帰を果たすなどの紆余曲折を経て、シーズン20最終回まで亘との相棒は続いた。
そして、シーズン21からは初代相棒の薫が5代目として復帰。現行最新シーズンまで安定の名コンビぶりを披露している。
シーズン21・第16話「女神」では、プレシーズンから登場している薫の妻・美和子(鈴木砂羽)に加え、行きつけの小料理店「こてまり」の女将・小出茉梨(森口瑤子)も巻き込んでの捜査が展開。2024年に好評を博したシーズン23でも、その人気は健在だ。
25年という長い歴史を誇る刑事ドラマの人気を支えるのは、主人公・右京と歴代相棒との絶妙なコンビネーション。それぞれの役者が見せる個性と、水谷とのケミストリーを、この機会に再確認してみてほしい。
文=中村実香
放送情報【スカパー!】
相棒25周年25時間セレクション
放送日時:2025年6月7日(土)19:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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