昭和仮面ライダーシリーズの最後を飾った、倉田てつを主演の「仮面ライダーBLACK RX」

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仮面ライダーシリーズは、昭和期に全盛を誇った後にいったん終了。2000年に放送開始された「仮面ライダークウガ」で復活を遂げた。いわゆる「平成仮面ライダーシリーズ」として人気を博し、令和の今も人気を誇っている。そして昭和仮面ライダー最後の作品となったのが、1988年に放送開始された「仮面ライダーBLACK RX」だ。本作は、前年の「仮面ライダーBLACK」の続編であり、主演の南光太郎役で倉田てつをが続投しているが、登場人物はほぼ変更されて敵組織なども一新されている。

倉田てつをが「仮面ライダーBLACK」に引き続き主演
倉田てつをが「仮面ライダーBLACK」に引き続き主演

(C)石森プロ・東映

■敵組織のクライシス帝国も充実。石ノ森ワールドの集大成

制作陣も意欲的で、設定には斬新な試みが多くなされた。キックに加えて、剣や銃などの武器による必殺技を導入したり、四輪車の登場も画期的だった。平成シリーズでは当たり前だったライダーの複数形態も昭和時代には初の取り組みであり、RXがロボライダーやバイオライダーに変身することで視聴者の楽しみが増した。

主人公の光太郎はヘリコプター操縦士の職に就き、叔父である佐原俊吉(赤塚真人)が営む佐原航空に勤務。佐原一家との触れあいやガールフレンドのカメラマン・白鳥玲子(高野槇じゅん)との関係も描かれた。さらに仲間として共に戦う霞のジョー(小山力也)や的場響子(上野めぐみ)といったサブキャラクターの充実ぶりも特徴だった。

また、敵組織であるクライシス帝国の設定にも工夫が見られ、ジャーク将軍の指揮の下、4大隊長がそれぞれの配下である怪魔戦士を用いて作戦を展開。4人の隊長が手柄を競って争う場面が面白かった。中盤には、皇帝直属の査察官・ダスマダー大佐(松井哲也)が登場。豊富な敵キャラの存在が番組に彩を与えたが、中でも女性隊長のマリバロンを演じた高畑淳子の好演が光った。

従来の仮面ライダーとは一線を画す要素が多数導入され、まさに石ノ森ワールドの集大成的な作品となり、後年のシリーズにおける諸設定の先駆けにもなった。ちなみに原作者の石ノ森章太郎が製作に関与した最後の作品である。

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放送情報【スカパー!】

仮面ライダーBLACK RX
放送日時:2025年7月6日(日) 7:30~(第1話無料放送)
     2025年7月28日(月)~8月3日(日)は20:00~(全47話一挙放送)
放送チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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