昭和仮面ライダーシリーズの最後を飾った、倉田てつを主演の「仮面ライダーBLACK RX」

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(C)石森プロ・東映

第1話では、佐原航空でパイロットとして勤務する光太郎が、光を発する3本の不思議な杭を目撃。調査を行う中で、怪魔界から現れたクライシス帝国の要塞に拉致される。司令官のジャーク将軍は、クライシス帝国の尖兵として地球人の抹殺を要求。光太郎が拒否すると、変身機能を破壊されて宇宙空間へと放り出されてしまう。だが、光太郎は体内のキングストーンと太陽光線の力で仮面ライダーBLACK RXに転生。かつての相棒であるマシン・バトルホッパーも「アクロバッタ」に転生して駆けつけた。こうして、RXとクライシス帝国との長い戦いが開始された...。

■ジャック・バウアーの声優・小山力也のデビュー作だった!

倉田は前作に引き続いての出演となり、歴代の仮面ライダー役としても2年間演じたのが最長記録。本作ではやや明るいキャラクターに変貌し、玲子とデートする場面などもあるが、力強い正義のヒーロー像を全力で演じて、アクションや演技面での成長を感じさせた。終盤では、クライシスとの最終決戦を前に死を覚悟して、佐原親子との別れを予感させながら明るく振舞おうとする場面が涙を誘う。

倉田は仮面ライダーBLACK=光太郎のイメージが強過ぎたために、後年の俳優人生で苦労したこともあったようだが、長く愛される仮面ライダー役に強い愛着を持ち、イベント等にも積極的に参加。2009年放送の「仮面ライダーディケイド」には、南光太郎/仮面ライダーBLACK&BLACK RX 役でゲスト出演。20年ぶりに光太郎を演じ、BLACKとRXの同時変身も披露してファンを歓喜させている。白鳥玲子を演じた高野槇じゅんは、JACの出身でアクションはお手のもの。明るく可愛らしいが、活動的な玲子を魅力的に演じた。本作以外ではおもに澄川真琴の名義で活躍したが、結婚を機に引退。しかし時折特撮関連のイベント等には出演している。

共演陣では、やはり高畑淳子が抜群にいい。特撮番組での悪役でかなり活躍していたが、本作が最も有名だろう。妖艶さを感じさせつつ、アクションも披露。セリフ回しと感情表現の巧みさで魅了している。また、本作は霞のジョーを演じた小山力也のデビュー作でもあるが、現在は声優としての活躍がメイン。ジョージ・クルーニーなど持ち役は数多いが、なんといっても大ヒットドラマ「24 -TWENTY FOUR-」シリーズの主演ジャック・バウアー役が白眉だろう。本作は小山が出演する貴重な映像作品でもあり、激しいアクションシーンも全力で熱演している。声はまだ若くてジャックの声とはイメージがやや異なるが、時折ジャックの声色を思わせる場面もある。

クライマックスの第41話からは仮面ライダー1号からZXまでの10人の歴代ライダーが全員登場し、RXと共闘するのも見逃せない。11人の仮面ライダーが一堂に会する場面は壮観で、クライマックスは大いに盛り上がる。

最後にラスボスとしてクライシス帝国の皇帝が登場するが、声を担当するのは声優の納谷五郎。ショッカーをはじめ、昭和のライダーの敵組織の声は、必ず納谷が担当していただけに、その声を聞けるだけでも嬉しい。

制作陣と出演者の熱い思いが結集した「仮面ライダーBLACK RX」。放送中に元号が平成に変わったものの、まさに昭和仮面ライダーの総集編ともいえる作品に仕上がった。倉田てつを、高畑淳子、小山力也らの熱い演技をはじめ、見どころ満載の力作として胸に刻みたい。

文=渡辺敏樹

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放送情報【スカパー!】

仮面ライダーBLACK RX
放送日時:2025年7月6日(日) 7:30~(第1話無料放送)
     2025年7月28日(月)~8月3日(日)は20:00~(全47話一挙放送)
放送チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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