牧島輝佐藤隆太と初共演の舞台「明日を落としても」で、阪神・淡路大震災から30年の記憶と向き合う――「生きること」を考えるきっかけに

俳優

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――演出の栗山民也さんとは初めてのタッグになると思います。どのようなイメージをお持ちですか?そしてご一緒できることを、どんなふうに楽しみにされていますか?

「ご一緒できるのがすごく楽しみです。栗山さんの演出の舞台に出られた俳優さんからは、稽古が短いという話を聞いているので、置いていかれないように頑張りたいです。最初は絶対緊張してしまうと思いますが、いまから楽しみです」

――作中には"ボクシング"の要素も登場します。役作りを進めるうえで挑戦してみたいことや、新しく取り入れてみたいことはありますか?

「稽古前からボクシングを習い始めました。劇中で、佐藤さんが演じる雄介と一緒にミット打ちをするシーンが出てくるのですが、ミットを持つ方も、気持ちよく打たせるためにちょっと迎えに行ったり、リズム感を作ったりするのが、難しいんですよね。難易度の高い技術だと思うので、一緒にやりたいですし、佐藤さんは指導する側だから、相当難しいですよね。僕も初心者なんで一緒に頑張れたらと思っています」

――舞台や映像など幅広く活動されていますが、本作のように"記憶"や"生きること"をテーマにした作品に出演することで、新たに感じることや、ご自身の原点を見つめ直すような部分もありそうですか?

「今回は特にそうかもしれないですね。台本を読んでいると、ひかるを通して自分のことを見ているような瞬間があるんです。17歳の自分はどうだっただろう、彼はどういう人生だったんだろうと想像もします。僕とひかるを重ねた時に、自分は本当に恵まれていると実感しますし、もっと頑張らないと、と思わされます。今回はそういう部分と向き合う時間が、多いような気がしますね」

――作品を通じて、観てくださる方にどのようなことが伝わったらうれしいですか?

「自分でも想像できない部分がたくさんありますが、『生きていくこと』を改めて考える作品だと思います。それは、ネガティブではなく、ポジティブな意味で。これからどうしていくか、自分がどう生きていくかを、僕はいま深く考えることができているような気がします。観に来てくださる方も、ポジティブな気持ちで、明日を迎えられたら、とてもこの作品をやる意味があるんじゃないかなって思います」

――今回の作品に込めた思いや、観客の皆さんに楽しみにしてほしいポイントを教えてください

「人生はいろんな選択の連続で、『あの時もっとこうしていれば、あんなことにはならなかった』と思うことや、選択によっては後悔することもある。人生はその連続で、僕も考えることがあります。でも、自分が選んだことを、良いことだと信じて乗り越えていかなきゃいけない瞬間もたくさんある。『明日を落としても』は、その手助けになるような作品だと僕は思います。そして、明日からの生きる活力になる作品になれば嬉しいです」

文=HOMINIS編集部

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公演情報

明日を落としても
<兵庫公演>
公演日程:2025年10月11日(土)~10月16日(木)
劇場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
<東京公演>
公演日程:2025年10月22日(水)~10月27日(月)
劇場:EX THEATER ROPPONGI

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