市原隼人、『おいしい給食』で得た俳優としての糧 青森・岩手ロケで体感した"食を共有する価値"
俳優
          
        
        
          1980年代の中学校を舞台に、給食マニアの教師・甘利田幸男の奮闘を描いてきた『おいしい給食』シリーズ。その劇場版最新作となる『おいしい給食 炎の修学旅行』が公開された。青森・岩手でのロケを敢行し、地域色豊かな食や子どもたちとの交流を交えながら、笑いと人間味あふれる物語が展開する。
2019年から6年にわたり甘利田を演じ続けてきたのが、市原隼人だ。滑稽でありながらも全身全霊で給食に挑む教師を通じて、彼はいかに"食べることの尊さ"を描こうとしたのか。ハードな現場で積み重ねてきた役づくり、俳優としての現在地、そして作品が投げかける普遍的なメッセージについて、深く語ってくれた。
 ――劇場版もついに第4弾となりました。今回は青森と岩手でも撮影が行われましたが、ご当地の食べ物がどれも美味しそうでしたね
「まず青森ではせんべい汁をいただきました。十和田湖の大自然の中で味わうせんべい汁は本当に美味しかったです。甘利田先生は給食のために学校に通っているような人物ですので、給食以外で熱々の料理を食べるのは珍しく、すごく新鮮でした(笑)。岩手では藤三旅館の源泉かけ流し温泉に入り、初めて"ととのう"という感覚を体験しました。本物の温泉に触れることができて感動しました。劇中では卓球のシーンがあり、共演の田澤泰粋くんと6時間練習する日もありました。芝居をしながら打ち合うのは難しかったのですが、その努力が映像にもしっかり刻まれていると思います」
――岩手名物のわんこそばの食いっぷりも最高でした
「撮影後にお店のご厚意で子どもたちが好きなだけ挑戦させていただけたんです。120杯食べた子や80杯でギブアップした子が笑顔で報告してくれる姿に、この作品の主役は子どもたちなんだと改めて思いました。宮沢賢治記念館にも行きましたし、冷麺を食べに1時間並んだこともいい思い出です」
 (C)2025「おいしい給食」製作委員会
――市原さんは子供の頃の給食の思い出はありますか?
「小学校の頃は、足が速い人がかっこいい、なんて価値観がありましたけど、僕は誰より早く食べる人がかっこいいと思っていました(笑)。牛乳が余ったら手を挙げて、おやつが余ればじゃんけんに参加して、そういう時間が大好きでした。あと、班替えで好きな子が見えるポジションに座れるよう頑張っていたのも覚えています」
――ちょっと目が合うだけでドキドキする、あの感じですね(笑)
「そうです(笑)。僕は本当に食べることが好きで、給食の時間はご褒美のような時間でした。作品を通じて小学生時代を思い出すと、給食の時間がいかに尊いものだったかを改めて感じます。みんなで同じものを食べて笑い合うからこそ、あの時間は特別だったんだなと。給食の時間は、親を外して行う人生で初めての会食の体験でもある。誰かと一緒に食べることで、その相手のことをより愛おしく思えるという感覚は、大人になった今も同じです」
――「食を共有することの価値」は、この作品でも一貫したテーマになっていますね
「そう思います。シリーズの中でも"食を共有することは尊い"というセリフがありましたが、本当にその通りだと今でも感じています」
――今作で実際に食べて印象的だった給食はありますか?
「選べないくらい全部美味しかったのですが......やっぱり揚げパンですね。特にきな粉パン。口の周りについた粉をペロッとなめるのも含めて大好きなんです。給食でしかなかなかお目にかかれない特別感もありますし、いつ食べても変わらない美味しさだと思います」
公開情報
映画『おいしい給食 炎の修学旅行』
2025年10月24日(金)新宿ピカデリーほか全国公開中
出演:市原隼人 武田玲奈 田澤泰粋 栄信 田中佐季
片桐仁 いとうまい子 赤座美代子 六平直政 高畑淳子 小堺一機
監督:綾部真弥 製作総指揮:吉田尚剛
企画・脚本:永森裕二 プロデューサー:岩淵規
企画・配給:AMGエンタテインメント
(C)2025「おいしい給食」製作委員会
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