若き松田優作のパワフルな演技が絶品! 当時新人の舘ひろしとの対決場面も楽しめる映画「暴力教室」
俳優
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その後は、ますみから理事長の汚職を相談された女性教師・花房(安西マリア)が学園幹部の不正を糾弾すべく立ち上がり、学園側は生徒会長兼剣道部主将の新田(南条弘二)に命じて親衛隊組織を結成させ、不良グループに制裁を加えるなど、波乱の展開となる。
本作の魅力は、なんといっても松田優作の圧倒的な存在感だ。型破りな「暴力教師」を熱演し、アクションシーンにも全力で挑んでいる。溝口は元プロボクサーだったが、試合中に対戦相手を死なせてしまい引退した過去を持っていた。そんな設定にも説得力ある柔らかな身のこなしで、中盤での喜多条との対決場面は迫力満点だ。
公開当時は、校内暴力が社会問題となっていて、時代背景を反映した硬派の作品として、教育現場の退廃を描いた点も評価できる。
本作がデビュー作となった舘ひろしは演技経験に乏しく、芝居自体は未熟な点は否めないものの、カミソリのようなシャープさを醸し出す風貌が魅力的だ。クールスのメンバーとバイクで疾走する場面が何度も挿入されるが、もともとバイクチームだった彼らだけに革ジャン姿も絵になっている。彼らが放つ危険な匂いは"本物"で、その魅力が画面から十分に伝わる。
また、安西マリアも華があって美しいが、後に所属事務所とのトラブルで早期に引退してしまったのが惜しまれる。アイドル出身の山本由香利は可愛らしい顔立ちで清楚な魅力を発揮し、悲劇的なヒロインを好演。敵役の南条弘二の不気味な迫力もいい。彼は一時期俳優業を休止していたが、90年代に復帰して刑事ドラマや時代劇などで大いに活躍した。
■舘ひろしも強烈な個性を放つ
放送情報【スカパー!】
暴力教室
放送日時:2025年11月7日(金)22:00~
放送チャンネル:東映チャンネル
出演:松田優作、舘ひろし、安西マリア、丹波哲郎、小畠絹子、室田日出男、安部徹、クールス
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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