染谷俊之×小西詠斗「ドラマの続きは舞台で」――『UNREAL-不条理雑貨店-』が描く"願いの行方"

俳優

©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員

――今回の作品に対して役作りで気をつけたことがあったら教えてください

染谷「この役のために髪を伸ばしました。切らずに少しずつ量を減らしながら整えていって。ヤギオは生命力があふれるタイプではないので、なるべく暗めにしていました(笑)。ただ現場の空気まで暗くならないように、いい塩梅を意識しながら、本番ではさらに削ぎ落とすような感覚で臨みました。感情が複雑な役だったので、"マイナスの感情を出す"というよりは、"プラスのものをぐっと抑える"ことで表現していました。僕はその方が演じやすかったですね。抑えたエネルギーが爆発につながるようなイメージで演じました」

小西「ムネチカはすごく芯の通った子なので、まっすぐで落ち着いた喋り方の中にも、圧や説得力のあるトーンを意識しました。ヤギオに対してもそうですが人を動かす力を持つキャラクターなので、そこは大事にしましたね。僕自身はけっこうふにゃっとしているタイプなので、ムネチカのような強い人間は本当にかっこいいなと思いました。"人のために動ける"というところがすごく魅力的でした」

――原作や台本を読んだ時に何か心掴まれたシーンやセリフはあったでしょうか?

染谷「最後まで読んでからもう一度最初に戻ると、セリフの受け取り方がまったく変わるんですよね。ヤギオとムネチカにはある宿命があったということが最後にわかってから、改めてムネチカとの会話を読むと、もう本当に悲しくて......そういう読み方になりました。僕自身、すごく心に残りましたね」

小西「自分ではない誰かのために努力していたというのは、本当にすごいことだなと思いました。感動というよりも、同情に近い気持ちもあって。でもその一方で、そのために多くの人を不幸にしてしまうという展開を読むと、すごく複雑な気持ちになりました」

©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員

――タイトルにちなんで、"不条理"、ちょっとこれは"理不尽"だなと思った経験はありますか?

染谷「生きていたら、理不尽なことっていっぱいありますよね(笑)。役者の世界も、ある意味すごく理不尽だと思います。努力が必ず実るわけではない世界なので。役者って、名乗ろうと思えば誰でも名乗れる職業だから、定義のない世界でもある。そういう意味でも"理不尽で面白い世界"だなと思います」

小西「僕はバナナが好きでよく買うのですが、スーパーで99円のバナナを買ったつもりが、299円のプレミアムバナナが混ざっていて(笑)。間違えて買っちゃったんですけど、よく見たら99円コーナーに混ざってたんですよ。"なんでここに?"って思いました。3倍の値段で、ちょっと理不尽でした(笑)」

――骨董品にはそれぞれ注意事項があったと思います。ご自身の俳優として守りたいルールや、取り扱う上での注意事項はありますか?

小西「"ちゃんとやる"。お芝居において、事前準備をすごくたくさんしておきたいですし、しないとなんだか落ち着いてできないです。自信が持てるようにたくさんしておきたい」

染谷「"ルールがないことがルール"ですね。"こうしてほしい""ああしてほしい"という決まりは特にないですし、自由な中で"面白いものを作る"という思いが大事です。ルールに縛られないことが、かっこいいと思っています」

©「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員

――最後に、視聴者の皆さんに一言ずつメッセージお願いいたします

染谷「物語が進むにつれてどんどん謎が深まっていきます。ドラマはきれいにまとまりつつも、少し謎を残したまま終わるので、ぜひ最後まで見届けていただけたら嬉しいです。"面白いな"と思っていただけたら、ぜひ舞台にも足を運んで、最後どうなるのかを見ていただきたいです」

小西「これから物語が進むにつれて、次々と謎が明らかになっていきます。ドラマも舞台もどちらも見ていただくことで、より深く楽しめると思います。僕自身もすごくワクワクしているので、ぜひ舞台も観に来ていただければ嬉しいなと思います」

文=HOMINIS編集部

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放送情報

「UNREAL-不条理雑貨店-」
放送日時:【テレビ大阪】毎週 (火)1:05~
     【テレビ愛知】毎週(火) 1:30~
     【BSテレ東】毎週 (金)0:30~
     【テレビせとうち】毎週(水)0:30~
     【TVQ 九州放送】11月20日(木)~ 毎週(木)1:30〜
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