数々の名作を生み出している名匠・瀬々監督のもとで、高橋と西野が忘れてはいけない震災の傷や、苦難の中でも立ち上がり、歩き続ける人間の力強さに向き合った本作。高橋は初日舞台挨拶で、「この『少年と犬』は、今後の役者人生において核となるだろうと撮影中から思っていました」と並々ならぬ思い入れを明かしていた。

高橋は「仮面ライダーゼロワン」(2019〜2020年)の主人公に抜てきされ、吉高由里子の弟役を演じたドラマ「最愛」(2021年)も注目を集めた。先ごろ実写化映画化が発表された「SAKAMOTO DAYS」(2026年GW公開予定)では、初のアクションにチャレンジするという。幅広いジャンルに果敢に挑み、その成長も目覚ましい高橋。儚さとチャーミング性のどちらも持ち合わせた稀有な俳優として、これからますます活躍していくだろう。

文＝成田おり枝