(C)日活
2025年9月に歌手の橋幸夫が逝去し、昭和歌謡の御三家がまた一人鬼籍に入った。2022年に西郷輝彦もこの世を去っている。しかし、もう一人の御三家である舟木一夫は80歳の今も現役歌手として活動を続けている。
そんな舟木の人気絶頂期である1966年に公開された映画「絶唱」をご紹介したい。本作は大江賢次の小説を原作とする悲恋物語で、舟木自身が強く望んで企画を通したという。公開された映画は大ヒットとなり、舟木の代表作にも数えられている。
■山陰の山深い村を舞台に身分違いの恋に落ちた若い男女の悲恋を描く
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舞台は山陰地方の奥深い山村。山陰きっての大地主、園田家の一人息子・順吉(舟木)は、大学に通っていたが、休暇で帰省した際に出会った山番の娘・小雪(和泉雅子)を深く愛するようになる。
しかし順吉の父・惣兵衛(志村喬)は怒り、大地主の権力によって小雪の両親に因果を含めて小雪を追いやってしまった。結果、父に反発して小雪の後を追った順吉は、日本海の町で小雪と暮らし始める。順吉は勘当されるも、読書会の仲間である大谷(山本勝)やマサ(岸野小百合)たちに励まされ、2人は貧しくもつつましく生きていた。
しかし世は太平洋戦争のさなかで、順吉にも召集令状が届く。小雪は家計を支えるために屈強な男たちに混じって重労働に励んだ。小雪のささやかな楽しみは、順吉からの手紙と"木挽唄"を歌うことだった。やがて順吉からの便りが途絶え、無理がたたって小雪は病床に臥してしまう...。
本作の核となるのは、純愛を貫いた若い2人が戦争や病気によって悲劇的な運命にもてあそばれる悲恋のストーリー。舟木と和泉の人気絶頂期に製作されたこともあり、当時のティーンや若い女性たちが映画館に押しかけ、興行成績は大成功を収めた。
和泉は吉永小百合と松原智恵子と合わせて「日活三人娘」と呼ばれた日活が誇る青春スターで、本作でも健気な悲劇のヒロインを好演している。舟木も清純で誠実な文学青年の順吉役にぴったりで、抑制した演技が静謐な主人公の悲哀を大いに引き立てている。
当時の批評家にも「アイドルではなく、俳優・舟木一夫の実力を見せつけた」と、本作の演技を高く評価された。主題歌の「絶唱」も映画との相乗効果で大ヒットし、社会現象にもなっている。舟木は同年の日本レコード大賞で歌唱賞を受賞した。
■西河克己監督がこだわった故郷・鳥取の映像も美しい
放送情報
絶唱
放送日時:2025年12月8日(月)8:00~
放送チャンネル:映画・チャンネルNECO(スカパー!)
出演:舟木一夫、和泉雅子、太田雅子、志村喬、花沢徳衛、山本勝、山田禅二
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
詳しくは
こちら

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