織田が演じる板東は、会社の規模に関係なく融資に値するかを判断すべきという公平な価値観を持つ組織の論理に染まらない孤高の銀行マン。一風堂に融資をするべきかを判断するべく、事件の裏側を調査し、次第に闇に迫っていく役どころだ。
緩んだネクタイが示すような、型にはまらず信念を貫くキャラクターであり、織田は冒頭の会議シーンをはじめ、力強い口調やギラついた眼差し、堂々たる佇まいや溢れ出るカリスマ性で、説得力抜群かつ重厚に演じている。
その一方で、自分に難癖をつけ続ける二戸への呆れや怒り、一風堂と二戸との関係に何か裏があるのではないかと訝しむ疑念、ふとした身の上話でこぼれ出る温かみ、さらには他者の人生を左右してしまう融資への葛藤まで、事件の真相に近づいてくなかで感情が揺れ動く男の人情も表現。抑制を効かせた演技で、物語にもリアリティをもたらしている。
確固たる存在感で骨太な社会派ドラマの世界観を見事に作り上げた織田裕二。「水滸伝」も楽しみな今、「株価暴落」で唯一無二な魅力を堪能したい。
文=HOMINIS編集部









