(C)東映
彼女もまた、1999年に始まる『科捜研の女』シリーズで榊マリコという当たり役に出逢うのだが、そこに行きつく前に演じたこのドラマでの戦国時代の女性像には、ある種の風格が漂っている。彼女がここで、母親のお市と娘の茶々を、どのように演じ分けているかにも着目してもらいたい。
彼ら二人に秀吉とある種の友情で結ばれる家康役の三浦友和も加えて、作品には現代的なフットワークの軽さがあり、時代劇を見慣れていない視聴者にも面白い娯楽作になっている。ただスタッフには中島貞夫監督、脚本の高田宏冶などベテラン勢が起用され、本格派の時代劇としてしっかりした作り。柳葉敏郎と沢口靖子が脂の乗り切った時代に、時代劇の聖地・東映京都撮影所のスタッフたちとコラボレーションした、見応え十分な大作ドラマだ。
文=金澤誠









