草なぎ剛が役者としての幅の広さを証明!成長していく父親の変化を抜群の表現力で魅せる「僕と彼女と彼女の生きる道」

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可奈子が出て行ったことで急に子育てをしなければならなくなる徹朗だが、凛のことは全て可奈子に任せきりだったこともあり、凛が何を考えていて、何を感じているのかなどが全く分からないところからのスタート。

そんな彼が凛と向き合う中で娘への愛情が芽生えていき、親として成長していく、という徹朗の変化で"魅せて"いく作品なのだが、草なぎが表す初回と最終話のギャップの大きさと、変化の過程の表現力は筆舌に尽くしがたいほど。

本当に親子なのかと勘繰りたくなるような他人行儀なところから、"娘ファースト"な父親に変わっていくため、第1話と最終話ではまるで別人なのだが、凛を慮れるようになっていったり、ゆらの助言を受けて人として大切なものを見失っていたことに気付いたりと、徹朗が変わっていく過程がしっかりと表現されており、そのグラデーションの滑らかさには驚かされる。同一人物の変化をここまで表現できるというのは、役者としても本当に稀有な存在といえるだろう。

この作品を機に、ヤクザや詐欺師、魑魅魍魎が跋扈する政界を泳ぐ政治家といったダーク寄りな役も増えるなど、役者としての幅の広さを証明した、彼にとっても大きなターニングポイントとなった作品。草なぎの役者としての実力の奥深さを体感してみてほしい。

文=原田健

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