2006年に放送され、社会現象まで引き起こしたドラマ「のだめカンタービレ」。原作は二ノ宮知子による漫画で、天才的な音楽の才能を持つ"のだめ"こと野田恵と、音楽の世界でエリート街道を歩む千秋真一の恋と成長を描いた、コメディ要素たっぷりの物語だ。
ドラマの終了後も、その後の2人を描いた映画「のだめカンタービレ 最終楽章」が「前編」(2009年公開)、「後編」(2010年公開)に分けて公開された。キャストもドラマに引き続きW主演で、上野樹里がのだめを演じ、千秋は玉木宏が演じた。
(C)2009 フジテレビ・講談社・アミューズ・東宝・FNS27社
ヨーロッパに留学したのだめと千秋がどんな物語を紡ぐのか。ここでは映画における上野と玉木の演技について見ていきたい。
■自由奔放でちょっと変わったのだめを豊かな表情でコミカルに演じ切った上野樹里
(C)2009 フジテレビ・講談社・アミューズ・東宝・FNS27社
のだめは一度聞いた音楽をすぐに演奏できてしまうほどの才能の持ち主だが、部屋は片付けないから常に散らかっているし、当たり前のように変顔もこなすユニークな女の子。いつか千秋と共演することが目標で、指揮者として活躍する千秋とともに欧州に来て、日々レッスンに励んでいる。
そんなのだめを、上野はまるで漫画から飛び出してきたような、豊かな表現力で演じている。千秋に想いを寄せているピアニスト、ソン・ルイが千秋と話しているのを見つけた時は腕を振り回して絶叫しながら駆け寄り、自己紹介の際に「(千秋の)妻ですぅ~」という時の、何か含みのある視線の動きは絶妙だ。千秋のコンサートの宣伝のため、音楽の先生にティッシュを渡す時にはのろけるような甘い顔つきとなり、先生にコンクールへの出場を止められた時は、心のなかに雨が降り始めたような表情で泣きそうになったりもする。
そんな、起伏が激しく、表情豊かなのだめを違和感なく演じてしまう上野の演技力はさすがで、見ていてついテンションが上がる不思議な魅力があるのだ。

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