深津絵里の初々しくも風格のある演技!鈴木美弥堀江葉月らと共演、少女版「スタンド・バイ・ミー」とも呼ばれた「STAY GOLD」

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(C)バンダイビジュアル/Softgarage/スカイプランニング

彼女たちが途中下車したのには理由があった。生前、奈美が真琴にある伝説を話したことがあった。それは分水嶺の雫川に永遠の友情が得られる泉があるという伝説。修学旅行先はまさにその近く。その奈美の話を信じて、3人は冒険とも言える旅に出たのだった。

泉に向かう道中で、それぞれ奈美の思い出を語ったり、険しい道のりの中で理沙がケガをするが他の二人が支えたりして、公開当時も少女版「スタンド・バイ・ミー」と言われていたように、性格・キャラクターの違う3人が絆をより強くしていく様子が描かれている。初々しくも思春期の少女たちの繊細な心情も感じられる。

■鈴木美弥は見事作品の主人公ともいえる役を演じきった

この作品における主人公と言えるのは麗子で、演じた鈴木はこの作品のオーディションでの合格が俳優デビューのきっかけとなった。「STAY GOLD」が公開される前に、1988年6月に「喝采」「魔少女」の2本の短髪ドラマに出演。「喝采」も本作と同様、野沢が脚本を担当しており、鈴木は"中浦恭子"役で出演し、桃井かおりと対等に渡り合う気の強めの少女を演じている。他に、第23代ポッキープリンセスにも選ばれるなど注目度が高かった。

キャストの中でやはり注目したいのは"水原里絵"こと深津絵里。1986年にミス原宿グランプリで優勝したのをきっかけに13歳で芸能界入り。1988年3月に公開された「1999年の夏休み」でデビューを果たした。

萩尾望都の名作漫画「トーマの心臓」を翻案した青春映画で、のちに「就職戦線異状なし」(織田裕二主演)や「デスノート」(藤原竜也主演)などを手掛ける金子修介が監督を務めた。森に囲まれた全寮制の学院を舞台にした作品で、自殺した少年をめぐって、葛藤する姿が描かれている。10代の少女たちが少年を演じ、深津もショートカットの姿で少年に扮していた。雰囲気は違うものがあるが、「STAY GOLD」にも通じるテーマが感じられる。

1989年4月には"高原里絵"名義で「満月のくちづけ」に出演。これが映画単独初主演作となり、寺脇康文と共演。恋を叶えるおまじないを行っていた女子高校生たちが、間違って悪霊を呼び出してしまう学園サスペンスホラーで、深津は主題歌も担当した。

「1999年の夏休み」「STAY GOLD」「満月のくちづけ」が初期の"深津絵里"を知るための重要な作品となっていて、"謎多き""神秘的"といった雰囲気が彼女の大きな魅力となっている。俳優・深津絵里の原点の一つでもある「STAY GOLD」を見て、今の通じる高い表現力などを楽しんでもらいたい。

文=田中隆信

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