天海祐希×小栗旬が放つ圧倒的存在感!向き合うだけで絵になる名優2人の細やかな演技に注目「お家さん」

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この時代の女性としては、異例の存在感を放つ「お家さん」を演じる天海の演技が見事である。芯の強さを感じさせる凛とした姿は、圧倒的な存在感を感じさせた。よねは感情を露わにしない人物であり、小さな声の揺れや表情のわずかな変化で心情を示すなど、天海は細やかな表現を駆使した演技力で評価を高めた。幼い息子を亡くす場面での涙にくれる演技や、米騒動で暴徒化した群衆を相手に、屋根の上から堂々と啖呵を切る場面は特に印象的だ。

よねの「同士」として鈴木商店を成長させていく直吉を演じる小栗も好演。よねとの微妙な距離感を、目線や会話のテンポで自然に表現している。本作の全編を通じて、二人が向き合うだけで絵になり、視聴者を画面に引き込む牽引力が漂っており、作品にパワーを与えているという印象だ。

直吉の有する天才的な経営センスを鋭く表現しつつ、時に葛藤や焦燥も感じさせて立体的な人物としてリアルに演じた小栗の演技も称賛すべきだろう。視聴者からも「小栗旬の目力が凄い」とか、「パワフルで迫力がある」などと高い評価を受けている。この小栗の表現力が、天海とのコンビ感と相まって作品に厚みを加えたと言える。

この度、日本映画専門チャンネルで2026年2月11日(水)に放送される「お家さん」。実在する「鈴木商店」という明治・大正期の巨大商社を題材にした映像作品自体が珍しく、「こんな巨大企業があったのか」という驚きを与える効果もあったはず。歴史ドラマでありつつも、人間ドラマとしてしっかりまとめ上げた作品として、見ごたえは抜群だ。

原作は『天涯の船(上)(下)』(新潮文庫刊)や『さまよえる神剣』(新潮社刊)の玉岡かおる。監督は「居酒屋ゆうれい」や「ショムニ」で知られる渡邊孝好。脚本は「神様、もう少しだけ」や「大奥」シリーズ、連続テレビ小説「純情きらり」の浅野妙子が務めている。諸氏をはじめ、美術や衣装、神戸の街並みの再現度も非常に高く、スタッフ陣の奮闘も称えられるべきだろう。

文=渡辺敏樹

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