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スペシャル版でも、牧野の口の悪さとぶっきらぼうな態度は相変わらず。しかし、かつての東多摩第八小学校での勤務で、病気だけでなく心に向き合うことも大切だと学んだ牧野。不遜な態度の奥底には、医師としての真摯さや不器用な優しさがしっかりと存在する。そんな彼が今回はどのように子供たちの悩みに向き合っていくのかが、今作の見どころだ。
連ドラ版から一貫して、牧野は"迷いなく正解を出せる人"ではなく、"不器用に考え続ける人"という印象だ。子供たちの抱える問題は大人が思うよりずっと複雑で、すぐに解決できるものではない。その現実を前に、牧野自身も立ち止まり、悩み、過去の選択が正しかったのかを反芻するように自身に問いかける。今作では、治療に後ろ向きな愛莉に対し、彼女が希望を取り戻せるように何かしてあげたいと強く思いながらも、何ができるかという答えはなかなか見つからない。それでも牧野は自分なりに模索しながら、医師として彼女の傍にいる。松下は、そんな牧野の"心の揺れ"を、視線や呼吸のリズムで表現してみせた。今作でも変わらず、牧野を演じる松下の瞳には誠実さと温もりが宿っており、牧野をより魅力的な人物へと昇華している。
牧野の医師としての真っすぐな熱意と覚悟、ぶっきらぼうな態度の裏にある温かな優しさは、スペシャルドラマ版でも健在。日常にある些細な問題を描いた本作がこんなにも心に残るのは、松下の演技がじんわりと心に響くからだ。1学年成長した児童たちと、病院勤務に戻った牧野。連ドラ版の先で続く彼らの歩みを、スペシャルドラマ版で楽しんでいただきたい。
文=HOMINIS編集部









