大沢たかお、綾瀬はるか、内野聖陽――「JIN-仁-完結編」を名作たらしめた三者三様の名演
俳優
村上もとかによるヒットコミックをドラマ化し、国内外で大好評を博した名作「JIN-仁-」(2009年放送)。幕末の江戸にタイムスリップした脳外科医・南方仁が、現代医療の技術を駆使して人々を救う物語だ。タイムスリップの謎はもちろん、坂本龍馬といった歴史上の人物や、人々との深いつながりなども生き生きと描かれていて、奥の深い内容となっている。
そして2011年には、続編「JIN-仁-完結編」も放送された。主なキャストは第1作と同じで、大沢たかおが主人公の仁を演じている。また、仁に想いを寄せると同時に彼を支える旗本橘家の娘・咲を綾瀬はるか、坂本龍馬を内野聖陽が演じた。
激動の時代を舞台にした本作で、3人はそれぞれの人物をどんな演技で体現したのだろうか?
■仁のキャラクターと背負った葛藤を説得力のある演技で魅せた大沢たかお
「JIN-仁-完結編」の物語が始まるのは、仁が江戸に来て約2年が経った1864年の夏。第1作で「仁友堂」という医学所を開いた仁は、その後も人々の治療にあたっていた。冒頭、怪我をしている豆腐屋にすぐさま処置を施し、お礼をもらって爽やかな笑顔になるシーンなどを見ると、江戸での生活も慣れたようだ。しかし、なぜ自分が江戸にタイムスリップしたのか、どうしたら元の時代に戻れるのかといった謎は、まだ解き明かされていない。さらに「完結編」では、激動の時代の余波で、仁もさまざまな事件に巻き込まれる。
京都で佐久間象山の治療にあたった時、象山から自分のなすべきこと諭され、雷に撃たれたような表情になったり、また、虫垂炎を患った西郷隆盛と対面した時は、自分から土下座をしてまで治療させてくれるよう西郷に頼み込んだりもする。そんな仁の姿からは、人の命を救うという信念だけでなく、自分が日本の歴史に関わっていることの重みと葛藤が、強く伝わってくる。
市井の人々と触れ合う時の優しい笑顔、人の命に向き合う時の真剣さ、また、自分が歴史を変えてしまう可能性があることへの苦悩。仁が背負ったものを説得力を持って体現する大沢の演技はさすがで、それゆえに、本作の物語がより奥深いものとなっている。









