声優初挑戦の萩原利久×古川琴音が語る、声だけで表現する難しさ 『花緑青が明ける日に』で得た手応えと発見
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日本画家・四宮義俊が原作・脚本・監督を担う長編アニメーション映画『花緑青が明ける日に』が、全国にて絶賛上映中だ。萩原利久と古川琴音が声優に初挑戦しダブル主演を務め、フランスの気鋭スタジオMiyu Productionsとの日仏共同製作として完成させた本作は、第76回ベルリン国際映画祭コンペティション部門への正式出品も果たすなど、国内外で注目を集めている。
物語の舞台は、老舗の花火工場。再開発による立ち退きを前に、失踪した父が遺した"幻の花火"を完成させようとする青年・敬太郎と、故郷に戻ってきた幼なじみ・カオルの再会を軸に、止まっていた時間と想いが少しずつ動き出していく。
今回は初めて声優に挑んだ萩原と古川に、マイク前で直面した難しさと、その先に見えた新たな気づきについて語ってもらった。
――今回、声優初挑戦となりましたが、実際に声だけで演じてみていかがでしたか?
萩原「率直に、ものすごく難しかったです。実写で芝居をさせていただくのとは勝手も違いますし、そもそもマイクしかない空間で演じる機会ってほとんどないんです。想像以上に難しかったのは、リップシンクや尺に合わせていくこと。実写だと、極限まで余計なことを排除して、ないものにする感覚で演じることも多いのですが、今回はそうはいかない環境でした。やれることが減った分、逆にそういう外側の要素がいつも以上に気になってしまって、正直、手応えはなくて......。ただ挑戦としてはずっとやってみたかったので、難しかったけれどすごくいい経験になりましたし、終わったあとにまた機会があったらやってみたいと思えたのは大きかったです」
古川「私も想像以上に難しかったです。例えばこの秒数にこのセリフを収めるといった尺の感覚や、絵を見て初めて分かるキャラクター同士の距離感を意識して表現しなければならないですし、普段の台本なら、間を空けること自体が表現の一つになることもあるのに、自分で"間"を作れないのがすごく大変でした。すでに組み上がっているテンポの中に、自分の声を乗せていく感覚で、最初は掴めませんでした。本当は1日で収録を終える予定だったのですが、最初はまったく手も足も出なくて......。別日に改めてチャレンジさせてもらったんです。そのときは萩原さんと同じブースで収録する機会もあって、同じ空間に誰かがいるだけで、やりやすさが全然違いました」
――初挑戦にあたって、何か準備されたことはありますか?
萩原「準備したい気持ちはありました(笑)。でも、経験がないと何を、どう準備すればいいのかが分からなくて。台本はもちろん読み込みましたし、役作りという点では普段の芝居と遠くはないと思うんですけど、技術的な部分は......やっているようで、何もできていなかったのかな、という感覚もあります」
――今回を経て、何か掴めた感覚は?
萩原「"こういう流れで録っていくんだ"という大まかな土台は体験できたので、次に機会があれば、初めましての緊張は少し減るかもしれないなとは思いました。ただ、経験値はまだ圧倒的に足りていないので、もし機会があれば経験を積んでいきたいです」
古川「私は声優の勉強まではしていないんですけど、事前に、色付け前の映像と、監督が仮でセリフを入れてくださったものがあって。それに合わせて練習はしていました。ただ、実際に自分の声を聞きながらやると全然違って......いまだにどんな準備をすればよかったのかと考えることがあります」









