現在放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」で天才軍師と呼ばれた竹中半兵衛を演じている菅田将暉。歴史上分かっていないことも多いという謎めいた人物を、持ち前の存在感を活かし、切れ者かつ変わり者として雰囲気たっぷりに体現している。
その一方で、黒沢清監督の最新作「黒牢城」(6月19日(金)公開)ではもう一人の名軍師・黒田官兵衛を演じる菅田。同時代に活躍した"両兵衛"制覇とあって戦国ファンを中心に大きな反響を呼んでいる。
常に話題作が引きも切らない菅田だが、その輝かしいキャリアの中でも、人生の転機となったという意味で重要な1作が、2021年11月に結婚を発表した小松菜奈との初共演となった「ディストラクション・ベイビーズ」(2016年)だ。
(C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会
4月27日(月)にWOWOWシネマで放送される「ディストラクション・ベイビーズ」は、真利子哲也監督が実際に聞いた話からインスピレーションを得た作品。街で無差別にケンカをふっかける暴力的な青年とゲーム感覚で彼を面白がる高校生が暴力行脚に繰り出していく、若者の無軌道な欲望と狂気を描く先鋭的な異色の青春群像劇だ。
愛媛県松山市の小さな港町、三津浜。両親を早くに亡くし造船所のプレハブ小屋に弟と2人きりで暮らす泰良(柳楽優弥)は、ケンカに明け暮れる日々を送り、ある日を境に三津浜から姿を消すと松山の歓楽街に出没するようになる。強そうな相手を見つけては間髪入れずに襲いかかる泰良の暴力性に、高校生の北原裕也(菅田)は魅了され、彼の後を追い回すようになるが、事態は次第に取り返しのつかない方向へと転がっていく。
配信が開始されたばかりの「九条の大罪」や「ガンニバル」シリーズで肝の据わった只者ならぬキャラクターで異彩を放ち続けている柳楽だが、そんな凄みのある役どころにつながる、狂気の原点とも言えるのが「ディストラクション・ベイビーズ」だ。劇中ほとんど言葉を発さず、エネルギーにみなぎる顔に不気味な笑みを浮かべながら暴力を振るう泰良。意味など持たず本能に突き動かされるモンスターのようで、一切の感情移入を許さない姿は、演技と分かっていても恐ろしい。











